2017.06.23 from名古屋 | yoskのブログ

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Twitterでは呟きにくいことを中心に

ご無沙汰です。


諸事情により色々お休みしてますが

今日だけは、少しだけ、ここだけ。

今日観たもの、聴いたもの、感じたものを、残しておきたくて。


ネタバレにもなるし、ここにそっと書いて

すっと消すかもしれないし

ただなにか、書きたくて。






前置きはさておき、









有安杏果さんが、凄かった。








2017年6月23日 愛知県芸術劇場 
ココロノセンリツ 〜Feel a heartbeat〜 vol.1


そのステージに立ったのは、
今まで僕が観たどの有安杏果さんより、強くて、美しくて、生き生きと羽ばたいていた。








彼女の創った歌たちを聴きながら、歌う彼女の姿を観ながら、ずっとひとつのことを感じていた。受け取っていた。




今、たぶんこれからも、彼女が歌をうたう理由は、
その歌声が、誰かの力になるから。なれるから。


ハムスターも、遠吠えも、小さな勇気も、色えんぴつも、
あの曲も、あの曲も、
全ての曲が、きっとそこに繋がっていた。




好きなことが、
夢が、
生きる意味になった。





あなたは、"分からないけれど" と、
"もしかしたら" と、謙遜するけれど、

その歌声は、間違いなく誰かの力に、
少なくとも、僕の力になりました。




だから、
歌うことが、あなたの生きる意味である限り
僕は、あなたの生きる意味でありたい。
だから

本当は、何かを望むようなこと、したくはないけれど
本当は、頼ってばかりではいけないのも、あなたたちに教わってきたけれど、

でも、ずっとあなたの歌に力をもらいたい
ずっと歌を好きでいてください。

これは今、終わってからこの文章を書いていて思ったことだけれど


もしかしたら、ただ純粋に歌を好きになってからずっとずっと、
そうなりたいと思っていたのだろうか。




0が、歌う意味を確かめるため。

本当は答えがぼんやり見えていて、確かめたのか、
心の奥底にあったけど、本当に見えていなかったものを探していたのか、
分からないけれど。


0.5は、その力を確かめるため。あの曲は、あのコンサートは、
はっきりと見えた己の歌う意味へ、大きく一歩を踏み出して、踏みしめて、跳ぶための足元を確かめた。


そして、1。
まずは1度目。
しっかりと歌う意味を果たした。

これから2,3, ...と、
歌う意味を果たす旅が続いていくんだ。



なんて、この妄想が、合っているのかどうか
ちゃんとこの目で、耳で、確かめたいね。








細かいことを少し。



1曲目は、緊張と、サプライズのプレゼントと、進化だった。

スクリーンにずっと映し出された手元は、たぶんずっと、震えていた。
その緊張の震えと、それを背負ってひとりでステージに立った彼女の覚悟に
僕の心も震えていた。
そんな震える心をかのギタリストのごとく身体で表現したいけれど、ここは夜行バスの中。残念。

そんな彼女の覚悟を支えていたのは、彼女のエンターテイナーの心。みんなを驚かせたい、楽しませたいためのサプライズ。
丁度開演前に読み直していたvol.0.5のパンフにあった村石さんの言葉が蘇る。
「こいつ基本的にイタズラ坊主だから」

彼女とファンの間で、ずっと大切にされてきた曲。きっとずっと変わらず大切にしていくのだろうと思っていたけれど、違った。
彼女は大切にしてきた部分を、進化させた。
もっともっと、大切にした。
ありがとう。その言葉が、彼女の奏でる歌と音色だけによって、より鮮明に縁取られるような、
そんな1曲目。



2曲目は、やっぱりサプライズと、してやられた。
さっき1曲目の緊張の話で、スクリーンに"ずっと"手元が映し出されていたと書いたけれど
それはこのサプライズの伏線でもあったのかもしれない。
肉眼では表情をはっきり読み取れないくらいの4階席の僕には
1曲目で顔を映さずショートカットのサプライズを2曲目に持ってくる作戦は非常に有効だった。

思い返せば、およそ1年前、vol.0が終わった頃、彼女は髪を切ると言った。かなり決意は固そうに見えた。
しかし自他共に認める頑固者の彼女にしては珍しく、結局髪を切ることはなかった。
もしかするとあの時、vol.1のタイミングで、新たな1歩を踏み出すきっかけとして、この時期に切ることを決めていたのかもしれない。
だとすると、あのとき「あんなに決心したように見えたのに、珍しい。どうしたのだろうか」などと心配していた僕は、完全にしてやられた。

そして、してやったり、と言わんばかりに
頭を振ったり、髪をかきあげたりする彼女は
可愛いかった。すんごい可愛いかった。最高。大好き。
MCで、「可愛い?」って訊いたのね。
いつもなら、似合うかな?とか、変じゃない?とか言いそうだけど
関西弁効果か、本当は少し自信があったのか。(後者がいいなぁ。ふふふ)
直後に「恥ずかしいこと訊いてしまった」と照れる姿も含め、100点。


もうひとつあった。たしかこの曲の、終盤の高音部で、1音目をわりと大きめに踏み外したんだけれど、2音目に瞬時にフェイクに切り替えてまるでアレンジしたかのような表情で歌い上げた姿には、この日1番の鳥肌が立った。今までもそのような技術を聴かせたことはあったけれど、今回の切り替えの"速さ"は、確実な進化だった。
いやもう実際は初めからフェイクのつもりだったのかもしれない。分からない。それくらい。




新曲たち
本題でも触れたけど
「遠吠え」と、「色えんぴつ」は、(変換違ったらごめんなさい)
やっぱりどこか繋がっていて
異なるものを用いた比喩表現で同じことを表してる気がした。
もうひとつ違うのは、ネガティヴとポジティヴの割合、かな。
悲観しながらも確かな光を持っている「遠吠え」と、
悲観の淵に微かな灯火を見つけた「色えんぴつ」。そんなかんじ。

もう少し「色えんぴつ」の話。
初めは、何色に喩えてるのかな。あまり使われない白か黒かな。って聴いてたけど
違うんだね、"有安杏果色"の色えんぴつなんだね。
なかなか目に留めてもらえず、他の色えんぴつを妬み、尖っていた。
ようやく手に取ってもらえ始めた"有安杏果色"は、
誰かの涙を拭ったり、誰かの心を包み込んだり、
"有安杏果色"にしかできない色を彩る。

「光の声」は、彼女の言う通り、横浜アリーナや大分の景色が浮かんでくるようだった。
もっと正確に言えば、それらの景色を思い浮かべながら今日まで走ってきた彼女の姿が、浮かんできた。
きっとこれからも、彼女の足跡と、走り続ける彼女の今を繋いで、走る力になる曲。
そして僕の走る力にもなる曲。

「Travel Fantasista」
背景とか、思い入れ抜きで考えたら、
ぶっちぎりで歴代最高。
それくらい、メロディどんぴしゃすぎた。
提供曲だから、きっと音源化されるはず。待ち遠しい。



ピアノの弾き語りは緊張が大きかったけれど、
その対比もあってか、
ギターの弾き語りは自信を強く感じた。いや、信頼、というべきか。
彼女が選んだ"あの子"は、きっとこれから彼女が音楽の道を進むための「ペダル」になってくれるはず。
しかし良い音だったなぁ。彼女とあの子のファンになった。




途中で気がついたけれど、
今日、彼女はほとんど汗をかいていなかった。息切れもしなかった。
1年前から、最も分かりやすい進化だったかもしれない。円盤をしっかり観てきてほしいと頼んだ彼女が、僕らに見せたかったことのひとつかもしれない。
だとしたら、それだけの自信を持たせるための努力は、いったいどれだけ…
 いや、
白鳥は水面の美しさを見るもの。

もうひとつ、明らかな進化として感じたのは
すべて自分の曲だけでコンサートを創り上げたこと。
1年前、カバーしたももクロの曲の盛り上がりに対し、隠すことなく口にした悔しさを、
自分の曲だけで1年前を超えるコンサートを創ることで、乗り越えて見せた。
おそらくそれも、vol.1を踏み出す彼女の中の条件だったのかもしれない。
誰かの真似ではなく、自分だけのコンサートを創ること。


アンコールの全編逆再生メドレーは、圧巻。
今回武部さんがいないということで、パンフレットでもアレンジへの不安を口にしていたにも関わらず、
あのチャレンジングなメドレー。
幸せな時間をもう一度味わわせてくれるかのような演出は、
ともすれば寂しさを増幅させすぎてしまう可能性もあったけれど、

センチメンタルを断ち切り、コンサートを締めくくった彼女の卒業制作。
4年間の挑戦が、歌と結びついて、重なり合って、真の完成を迎えた瞬間。
同時に、有安杏果というアーティストの可能性が、明確に形になった瞬間だったようにも思う。








いまのとこ、思ったこと、思い出せることは書けたかな。
自分でも読み返して伝わるのか分からないような
99.99%、自己満足でしかないけど。

0.01%は、奇跡と願望。



さあ、また頑張ろう。