少し前のことですが、渋谷UPLINKで「ジャズ喫茶ベイシー Swiftyの譚詩バラッド」みました。

 
映画のパンフレット
 
 
 
このSwiftyスウィフティーとは菅原正二さんのこと。菅原正二さんは岩手県一関にあるジャズ喫茶ベイシーの主です。カウント・ベイシーが名付けました。
 
 
実は私は子供の頃、このジャズ喫茶ベイシーを訪れています。その時の衝撃を今も引きずって生きています。
 
私が初めてベイシーを訪れたのは小学校に入学したばかりのことでした。菅原正二さんが生み出した音に衝撃を受けました。スピーカから出てくる音を、スピーカーを数時間眺めていました。
 
そこで楽器が演奏されているように聴こえました。ミュージシャンの息づかいも聞こえました。まるで生の演奏を聴いているようでした。特にハイハットの音はそこにあるかのように聴こえました。不思議で不思議でたまらない、衝撃的な経験でした。あの時のことは鮮明に覚えています。一生忘れられません。
 
そして私は東京に帰ってから、どんなステレオを聴いても不満を抱き続けることなりました。
 
私は当時から音楽好きで、その後中学生になり高校生になり大学生になって社会人になってもずっと様々な音楽を聴き続けました。ロック、JAZZ、クラシック気の向くままさまざまな音楽を聴きました。
 
音楽を聴く手段として、CDラジカセからハイエンドなオーディオシステムまで試せるものは片っ端から試しました。Bang & OlufsenもSONYのハイレゾもBOSEの上位機種も、名前を挙げきれないくらい試しました。結局、音質に関して満足できるものは何一つありませんでした。現在に至るまでそうです。
 
音においてジャズ喫茶ベイシーを上回るものはありません。あれからずっと私は音質に関して満たされないままです。
 
以前ベイシーと全く同じターンテーブル、アンプ、スピーカーを使ったオーディオマニアのステレオを聴く機会がありました。不思議なことにジャズ喫茶ベイシーの音には及ばないものでした。
 
ジャズ喫茶ベイシーの音は大音量です。でもそのサウンドは強靭というより繊細です。あの音量と菅原正二さんの醸し出す雰囲気に紛れてしまっていますが、菅原正二さんは誰よりも繊細な感覚の持ち主なのだと、そう確信しています。鈍感な人にあの音が作れるはずがありません。
 
映画の話に戻ります。
この映画では菅原正二さんの音が再現できていません。当たり前ですが。音の良さが全く伝わりません。状況が許されるなら映画館に足を運ぶのではなくぜひジャズ喫茶ベイシーで菅原正二さんの音を聴いてほしいです。
 
評価:ジャズ喫茶ベイシーの音を聴け
 
私のブログでは評価を得点化していません。私のこの映画の評価は上記の通りです。
 
映画の内容に関してまだ書きたいことがあるので、それはまた後日書く予定です。
ではごきげんよう。
 

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