先月末から港北区でプレハブ2階建ての事務所を新築中。
特に面倒なところも無いのですが
強いて言うと2階に上がる階段が
通常はプレハブメーカー側で作る鉄骨製のところが
こちらのお施主様は木製階段がいいらしく
住宅建材メーカーが作っている木造住宅向けのユニット階段を使うことに。
いつものパターンなら躯体工事で鉄骨階段も設置されるのですが
今回は木製階段なので設置の納まり等詳細は
全体工事の管理も請け負った弊社に委ねられました。
ところがこの階段がとんだ曲者でして。。。
まず意匠設計屋が描いた確認申請図面だと階段の段数が14段なのですが
計算すると一段の高さが高すぎて建築基準法に引っかかる。
(よく確認申請下りたな。。。)
1段の高さは大きなオフィスビルではないこのくらいの事務所の場合
基準法では22cm以下なので基準法ギリギリでいくと
15段上りで一段の高さが約21.5cmになるのですが
会長をはじめシルバー従業員が多いこの法人のお施主さんの場合
もっと低い方がよい気がします。
でもその分段数が増えると疲労感も。。。
また踏み面の奥行寸法も大きくゆったり取ると
階段の全長が長くなってしまい
2階床梁と干渉して頭がぶつかってしまうことになるので
狭くしなければなりません。
基準法ギリギリの21cmにしても
梁までの高さが充分にはとれないほど。
建築基準法は最低限クリアしないといけないし
頭をぶつける階段じゃ支障がある。
梁の干渉から逃げるためには
勾配をキツくするしか方法がありません。
お年寄りの多い職場だから
本来なら階段を設置するなら
広くて緩やかな方がいいに決まってますが
この相反する条件を両方クリアするのは
どう頭を捻っても物理的に不可能。
結局2週間くらい図面を描きながら悩みまくったのですが
根本的に設計が間違っている部分をカバーすることができず
お施主さんと協議することになりました。
元請さんが設計ミスを謝罪した上で最善の対応策を話し合い
私も図面を示しながらこうした場合はこうなりこうした場合はこうなると説明。
お客さんに決めていただきました。
結論として
梁の干渉から逃げるためには
2階梁下から1階天井までを30cmくらいの高さの部分を
階段と平行に斜め天井にして高さを稼ぎつつ
段数は快適な高さとされる20cmを目標に
一段多い16段上りとし1段の高さは20.2cm 。
踏み面の奥行寸法は21cmにすることで結着しました。
なお踏み面の奥行寸法は段鼻の先を少し出すので
その分も含めると実際の寸法は22.5cmになります。
鼻の出は通常2.5~3cmくらいですが
少しでも全長を短くするため1.5cmにしました。
踏み面の奥行寸法は住宅では15cm以上あればよいことになっているので
基準法ギリギリの寸法であっても22.5cmあれば
使い勝手に支障はないかなと。
寸法が決まったのでようやく発注。
でも階段が長いのでササラというナナメの側板は特注になるし
踏み板も枚数が多くて納期がたんと掛かるとの事。。。
いい加減な設計のせいでとんだ迷惑でした。
でも一番かわいそうなのはお施主さん。
もっと快適な階段に出来たはずなのに。
元請会社下の一次施工業者に過ぎない私は
設計や元請に対して文句や意見は言えても決定権は何もありません。
限られた条件の中で目いっぱい頭を使って
少しでも快適に近づけるために考えて作るこの階段が
実際に出来上がってのちの使用感はどんなもんでしょうか。
大丈夫なはずだけど後は作ってみないと判りません。
