槍穂の稜線を繋ぐ ~2016・秋~
槍ヶ岳から穂高岳へ続く稜線。
そこには大キレットとかジャンダルムとかなんとかピークとか、とにかく初心者立入禁止的な危険ゾーンが多く、それでも外から眺めるそれは自分の中でいつかは歩いてみたい稜線のトップでした。
そして北アルプスが雪に閉ざされる直前、10月の第2週と第3週を使ってチャレンジしてきました。
【パート1】
槍ヶ岳~奥穂高岳
平成28年10月12日~13日
新穂高~右俣林道~槍ヶ岳へ
3年ぶりの「槍ヶ岳」山頂。3180m。
前回は雨でガスガスの何も見えなかった山頂ですがやっとリベンジできました。
さぁ、ここからが「槍穂の稜線を繋ぐ」のスタート地点です。
この日の宿泊予定地は「南岳山荘」。
軽く昼飯を食べ、稜線を南下していきます。
13:40「大喰岳」標高3,101m到着
次第にガスってきてパラパラと雪も舞い始めた。
上空には寒気団が流れ込んで来たようでグッと気温は下がっていきました。
14:15「中岳」標高3,084m到着。
とにかく寒い!
ガスって見晴らしの悪い中、ガレた稜線を南へ歩く。
15:40「南岳」標高3,032m到着!
日本の山で標高が3,000mオーバーの山は21座(ウィキペディア)。
僕の未踏はこの「大喰岳」「中岳」「南岳」の3座でした。
なので!これにてオーバー3,000mオールクリアです!
16:00過ぎに「南岳小屋」到着し指が寒さでもげそうになりながらテントを張る。
ビール3本担ぎ上げましたがザックに中で凍ってシャーベット状に(泣)
雪は降らなかったが、テント内でも氷点下でモンベル♯3では凍えて良く眠れませんでした。
3000mオーバーはあなどれません。
そして翌日。
雲海上から登る朝陽にエネルギー注入。
そして今回の核心部「大キレット~奥穂高」のロックンロール地帯へ突入します。
なんか必死であまり良く覚えてないが、手足使って急な岩場を登ったり下りたりすること約2時間半。
8:30「北穂高岳」到着。
去年の秋、ここから槍ヶ岳を眺め、いつかあそこまで歩きたいと思っていた。
そして今年、その思いが実現した。
あらためて歩いてきた稜線を眺め感慨にふける。
よく頑張りました。
そして「涸沢岳」
を経由し「穂高岳山荘」へ。
昼飯休憩して「白出沢」を下り「新穂高」へ下山する。
そして翌週
【パート2】
奥穂高岳~西穂高岳
平成28年10月19日~20日
パート1でもうテント泊は寒くて無理!と感じ、今回は小屋泊で挑んだ。
初日は「穂高岳山荘」で小屋泊。二日目に核心部「ジャン超えの西穂」を計画。
「ジャンダルム」
山登りを趣味とした5年前からいつも頭の片隅にあった山。
毎年、登るチャンスはあった。
しかし、天気が悪いから・・・もう雪が降ったから・・・高所恐怖症だから・・・
いつも何らか理由づけして後回しにしていたような気が・・・
自分の中で、登りたい、でも登りたくない、どうするアイフル~的な山でした。
なので今年はまず「槍ヶ岳」から「奥穂高岳」までの稜線を歩き終え、残すところ「ジャン超えの西穂高岳」のみと自分を追い込んでみた、のが先週の話。
でもやはり10月も中旬です、グッと冷え込み雪もチラホラと。
よし、これでまた来年に持ち越しだぁ、と内心ホッとしていたけれど。
そして今週になったら先週の冷え込みはどこへやら、季節が逆戻りしてポカポカ快晴の予報。
もう、行くしかないね・・・。
初日は白出沢から穂高岳山荘へ。この3000mの稜線までまず登るってのが地味にツライ。
それでも昼過ぎには到着し、時間が余ったので未だ歩いたことのなかった「ザイテングラード」を登り降りしてみた。
今年はこのザイテンで不幸にも死亡事故が多発したようですね。
いずれも50代~60代の方で単独行。
自分もそのカテゴリーに入る山行者です。心新たに気を引き締め亡くなった方たちに手を合わせ午後3時過ぎに山荘へ戻る。
早めのビールを飲みながら他の宿泊客と談笑。
同じように明日、ジャン超えの西穂ルートを予定している方も数人いました。
同行者がいると少し安心です。
ただ翌日は天気は良さげですが風は強くなり、午前中は風速14mぐらいで冷たい北風が吹く予報でした。
ジャンから西穂のルートは飛騨側を巻く道が多いらしいので強風が吹くと少々ヤバイ感じ。
まぁ翌朝の状態を見て行くか引くか判断することに。
深夜、ビュービューと強風が吹いている外の様子が布団の中でもうかがえた。
そして翌朝・・・・
予報通り風が強い。
しかし天気は最高。
さぁどうしたもんか。
少し様子を見て午前6時過ぎ、とりあえず「奥穂高岳」へ登ってみる。
奥穂山頂には数人いた。
話をするとこの風の中、西穂へ向かう人がひとり、引き返す人がふたり。
うん、同行者がいるととりあえずは安心です。
よ~し行きますか、ジャンダルムへ!
最初に馬の背の洗礼を受けた後は、無心に岩を下り岩を登り岩を下り岩を登り(以下同文)
ついに来ました「ジャンダルム」
これこれ、この天使を肉眼で見たかったんです。
風もいつしか弱まって、ドピーカンなジャンダルム山頂でした。
八百万の神様、ありがとうございます!
その後は後続組も合流し、みんなで見渡す限りの絶景に心奪われ、ひゃーひゃー言いながらも気づいたら西穂まで到達していた。
よぉし!これで槍穂の稜線をつなぎ終えた!
これで日本アルプス系の山登りにひと区切りが付いたような気がします。
来年の目標。
GWは九州の百名山踏破(屋久島除く)
東北方面の登り残している百名山クリア。
北海道まで足をのばしたいが無理かな・・
とにかくあと3年ぐらいで百名山はクリアして、その後はのんびり登山を満喫したいと思ってます。