こんな記事があり共感
2026年6月にオランダで開催されたMotoGP第10戦で、日本の小椋藍選手が最高峰クラスで初優勝
日本人ライダーがプレミアクラスで勝利したのは、2004年の玉田誠氏以来、22年ぶりの快挙だった。
ヤマハは、2027~28年シーズンに小椋選手をワークス(メーカー直営)チームのライダーとして起用すると発表
2輪市場について
ホンダは2025年3月期に世界で2057万台を販売し、シェア約40%
世界の二輪市場は2026年に約786億ドル規模、2034年には1189億ドルまで拡大すると予測される。その最大プレイヤーが今も日本企業であることは動かない。
ところが、これまで日本のバイクメーカーが強みとしてきた、中型から大型クラスの人気カテゴリーでは、海外メーカーなどの激しい追い上げにより市場の勢力図が大きく変わりつつある。
個性的な3気筒エンジン
特に注目すべきは、中国勢の存在だ。中国の二輪大手CFMOTO(シーエフモト)が2025年に投入した「675SR-R」は、自社開発の水冷並列3気筒675ccのエンジンを積み、94馬力、最高時速で約220キロをたたき出す高性能スポーツバイクだ。車体価格は同クラスの日本車や欧州車の半額程度で、中国企業の典型的なやり方だといえる。その装備は日本の中型スポーツバイクをしのぐ。
さらに衝撃的なのがレース結果だ。中国の新興バイクメーカー・ZXMOTO(チャン・シュエバイク)は自社開発の3気筒エンジンを搭載した「820RR」で、2026年3月のWorldSBK(スーパーバイク世界選手権)併催スーパースポーツ級・ポルトガル戦を制覇。5月にはチェコ・ハンガリー戦でも勝ち星を重ねた。
販売市場について 中国🇨🇳と日本🇯🇵
中国国内の二輪生産台数は2025年に2210万台、そのうち輸出は1336万台
一方で2026年1~6月の日本の国内二輪車出荷台数は前年同期比21%減の14万1005台で、6年ぶりに過去最低を更新
この規模はもはや市場と言えるのか?
あまりの違いに驚いてしまう
日本国内の市場が沈む理由
少子化の影響で、二輪免許の新規取得者は年間30万人を再び下回り、コロナ禍で戻った需要も落ちた。駐輪環境の悪さ、公共交通機関の発達、新たな排ガス規制による原付バイクの実質的な市場縮小なども影響している。
未だに実現しない高速道路の2輪料金も若い人が2輪離れする要因だと思う
小椋選手のMotoGP優勝という快挙は、22年間途切れていた糸がつながった瞬間だったといえる。この流れを産業政策や文化政策につなげられるかどうかが、今後、日本のバイクが世界に誇るソフトパワーとして存在感を保てるかどうかの鍵になるだろう。
だが本質は、日本社会がバイクそのものを「文化」として扱ってこなかったことにある。
小椋選手の22年ぶりの快挙も、国内メディアではスポーツ紙での扱いにとどまっており、テレビのゴールデンタイムで大きく特集されることもない。MotoGPが国民的スポーツとして根付くフランスやイタリアとは対照的だ。この「認知の非対称」が、国内市場の縮小をさらに加速させている。
「日本のバイク」は、アニメやゲーム、すしなどと並ぶ、世界的に尊敬される「Made in Japan」の一つだ。そんな日本のバイクが、国内でも人気を高めるにはどうすればいいのだろうか。
まず、レースを日本のソフトパワーを支える資産として位置付けるべきだ。MotoGPやWorldSBKで戦う日本人ライダーやメーカーへの支援を、経済産業省や観光庁、文化庁が連携して進め、鈴鹿サーキットやモビリティリゾートもてぎ(栃木県)を海外に売り込んで、今以上に「聖地」として認知してもらう。
加えて、中国勢との「価格勝負」ではなく、「文化勝負」に軸足を移す。 CFMOTOの量産体制や価格競争力を相手に真正面から戦えば、このままでは、10年後には日本メーカーが中型バイク市場でシェアを大きく落とす可能性がある。アニメや漫画などを支援し、ライダー体験などをまとめて売り込めば、本物志向のユーザーが集まるプレミアム市場での優位性は保てる。
小椋選手のMotoGP優勝という快挙は、22年間途切れていた糸がつながった瞬間だったといえる。この流れを産業政策や文化政策につなげられるかどうかが、今後、日本のバイクが世界に誇るソフトパワーとして存在感を保てるかどうかの鍵になるだろう。