ヤクルト対巨人戦が19日、神宮球場で行われ、巨人の丸佳浩(36)がプロ野球72人目(77度目)で、2021年9月18日の塩見泰隆(ヤクルト)以来4年ぶり、巨人では08年9月3日の小笠原道大以来17年ぶりのサイクルヒットを達成しました。
丸は一回、内角直球を右翼席に運ぶ2戦連発の先制2ランを放つと、三回にはチェンジアップを右前打、五回もチェンジアップを中越え二塁打としました。迎えた七回、直球を振り抜くと、打球は右中間へ。丸は速度を緩めず二塁を蹴り、頭から三塁に滑り込み、「セーフ」。「まさかこの年で達成できるとは」と喜びを表しました。
プロ野球で最初にサイクルヒットをマークしたのは、1948年10月2日の藤村富美男(阪神)。巨人では、54年7月25日の川上哲治が初めてで、以降、63年4月25日の王貞治、97年9月26日の広沢克、99年6月25日の仁志敏久、小笠原と続き、丸で6人目。
戦前のプロ野球では達成者はいなかったが、実は40年5月24日の巨人対セネターズ戦で、巨人の中島治康(プロ野球初の三冠王達成者)は本塁打、二塁打、三塁打を記録し、単打が出ればサイクルヒット発達成者になるところだったが、次の打席で右中間を破った打球を全速力で二塁打とし、記録達成を逃しました。
巨人時代の松井秀喜も2001年5月23日のヤクルト戦で本塁打、二塁打、三塁打をマークし、残りは単打のみという状況だったが、第5打席で安打を打ったが一塁で止まらず、二塁まで進んで、サイクルヒット達成とはなりませんでした。
なお、1試合で4種類の本塁打(ソロ、2ラン、3ラン、満塁)を全て打つことを「サイクルホームラン」と呼ぶが、プロ野球でも、大リーグでも、この記録を達成した選手はまだ出ていません。この記録も、達成できるとしたら、大谷翔平(ドジャース)のような気がするが、果たしてどうでしょう。
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1984年の王監督の時代から、藤田、長嶋、原監督まで、20年以上巨人を担当した某新聞社運動部元記者。