第19回全日本中学野球選手権大会「ジャイアンツカップ」の準々決勝4試合が14日、都内2会場で行われ、大田スタジアムでの世田谷西リトルシニア(東京)対北摂リトルシニア(大阪)戦では、世田谷西の元木瑛介内野手が父親の大介(元巨人選手)譲りの「くせ者」ぶりを発揮、チームの準決勝進出の盛り上げ役となりました。

 世田谷西は3点リードされた五回、二死一塁で3番・元木に打席が回ってきました。ここまでの2打席では二飛、中飛と無安打だったため「なんとか出塁してチャンスを作りたい」と考えた元木。カウント2ー2からの5球目、内角の懐付近に投球が来ると、「当たりながら避ける」技で死球とし、好機を広げました。すると後続の打者が中前打、左前打、右中間三塁打とたたみかけ、この回一気に4点奪い、逆転に成功。試合は7ー4で勝利しました。

 元木は「チームに追い上げるムードを出すには、とにかく塁に出るしかないと思った」と言えば、父は「あの死球で相手投手はガッカリした」と「くせ者ぶり」を評価。北摂の後藤能己監督も「あの死球が痛かった」。

 この大会にはこのほか、多摩川ボーイズ(東京)に日本代表「侍ジャパン」の井端弘和監督の息子・巧内野手、DeNAや中日で活躍し、現在中日の打撃コーチを務める小池正晃の息子・樹里外野手など、プロ野球選手の息子が多数出場しています。

 千葉北リトルシニア(千葉)時代に今大会に出場し、ヤクルトや大リーグのメッツなどでプレーした五十嵐亮太や、京都田辺ボーイズ時代に出場し、巨人や西武で活躍した内海哲也など多くのプロ野球選手を輩出してきたジャイアンツカップから、今度は二世たちが羽ばたこうとしています。

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 1984年の王監督の時代から、藤田、長嶋、原監督まで、20年以上巨人を担当した某新聞社運動部元記者。