第107回全国高校野球選手権大会の地区予選で、最後に残っていた3地区の決勝が29日行われ、全49代表が出そろいました。春夏連覇を狙う横浜(神奈川)、夏の甲子園連覇を目指す京都国際(京都)など、実力あるチームが集結するが、公立6校、私立43校と、今年も圧倒的に私立が大勢を占めています。
100年を超える歴史の中で、出場全校が公立、あるいは私立だったことは一度もありません。ただ私立が1校だけだったことはあり、第1回( 1915年)は10校出場のうち私立は早稲田実(東京)のみ、春の第22回選抜大会(50年)は16校出場のうち私立は明治(東京)だけでした。また、徳島県は歴代公立校しか出場していません。
今年出場する公立6校は、いずれも過去の甲子園大会で実績を残した名の知れた学校ばかりです。
金足農(秋田)は、注目右腕・吉田大輝を擁し、2018年には兄の輝星(オリックス)の力投で準優勝を達成して「金農旋風」を巻き起こしました。
そんな金足を超えて、07年の夏「がばい旋風」で全国制覇した佐賀北(佐賀)も、18年前に続く頂点を目指します。
佐賀北と同じく優勝経験を持つ伝統校の県岐阜商(岐阜)は31回目の出場で、春夏通算4度の優勝を誇ります。
徳島県からは、今年も公立校の鳴門が15回目となる出場を決めました。「渦潮打線」は今回も健在です。
千葉県からは「市船ソウル」という応援で話題となった市立船橋が7回目の出場を果たしました。
宮崎県からは、61年ぶりに連続出場を決めた宮崎商が7回目の出場で頂点を目指します。
伝統と実力を備えた公立6校が私立勢を倒して「真紅の優勝旗」を手にすることができるか、注目されます。
◇◇◇◇
1984年の王監督の時代から、藤田、長嶋、原監督まで、20年以上巨人を担当した某新聞社運動部元記者。