プロ野球はセパ交流戦が開催中だが、18日現在、交流戦の勝敗表は1位から6位が全てパ・リーグのチームで、しかも6チームとも貯金している状況。一方、セ・リーグは7位から12位で、貯金しているチームは全くないという悲惨な状況です。
貯金数だけで比較すると、1位ソフトバンクが5、2位のオリックス、日本ハム、西武が2、5位の楽天、ロッテが1。7位の広島、中日が0、 9位のDeNA、阪神が借金2、11位の巨人が借金4、12位のヤクルトが借金5。
交流戦でパがセを圧倒しているのは20回目の今年だけでなく、スタートしてから、同じ傾向が続いています。過去の優勝はパが14度、セが5度。年度別の勝ち越しはパが16度、セが3度です。
なぜ、パが圧倒しているのかーー。その理由の大きな部分に指名打者(DH)制度が挙げられます。
パは公式戦でDHがあるため、投手は9番までの全ての打者に手を抜くことができないが、セは投手が打席に立つと一服できます。これが積もり積もってパの投手の方が球威、制球力ともセの上をいく傾向となります。
打者もパはDHがあることで、レギュラーが1人増えるわけで、やり甲斐にもつながります。
交流戦の試合でも、パが本拠地の試合はDHがあるが、パは普段通りに戦う一方、セはいつもはスタメンでない控え野手を起用することになります。セが本拠地の試合は「9人制」となるが、セは元々投手に打力があるわけでないので、普段打席に立たないパ投手が打席に立っても、セとパに差が出ないので、条件は互角になるので、パが有利な交流戦となるわけです。
米大リーグでも、DHのあるア・リーグが14年連続勝ち越したことがあり、ナ・リーグも2022年からDH制を導入しました。
高校野球でもDHの導入を検討するという方向性が打ち出されている現在、世界の野球でDH制を導入しないのはセ・リーグだけとなります。
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1984年の王監督の時代から、藤田、長嶋、原監督まで、20年以上巨人を担当した某新聞社運動部元記者。