まあ、どうせすぐ消えるから中身を一部バックアップ。

 

 読売テレビ「そこまで言って委員会NP」に出演した石丸氏は、田嶋陽子氏に「少子化対策の具体案は?」と問われ、「一夫多妻制を導入するとか、遺伝子的に子どもをうみだす」と語ったのだった。さすがに「究極的には」と限定し、「やろうとは思っていない」(←そもそもやれる立場ではない)とは言ってはいたが、テレビカメラの前で「少子化対策としての一夫多妻」と口にしたことにスタジオの出演者たちはのけぞっていた。テレビはつくづく怖い。一瞬にして、いろんなものを見せる。

 

  ー中略ー

 

 それにしても、石丸氏の「一夫多妻制」とか「遺伝子的に子どもをうみだす」とか、たとえ「究極の話」としても、腹のあたりがずしりと重たい。石丸氏は「100年後、200年後」というふうには言ってはいるが、「一夫多妻制」はともかく、「遺伝子的に子どもをうみだす」という世界は(言葉の意味はちょっとよくわからないけど)、そこまで非現実的なものではなく、もう既にその方向に向かっているのではないか。生殖技術の凄まじい勢いでの発達と、卵子提供や代理母出産などの生殖補助医療ビジネスの発展だ。

 

 特に今、お隣の台湾が、まさに“その方向”に動き始めている。長い間禁止されていた代理母出産が合法化されようとしているのだ。背景にあるのは、勢いが止まらない少子化と男性同性愛カップルの要望だ。

 

 台湾では2019年に同性婚が合法化されたが、同性カップルには生殖補助医療が禁止されている。そのため、自分の遺伝子を持つ子どもがほしい男性カップルは斡旋業者に高額を支払い、海外で代理母出産をしてきた。そういう不満の声の高まりから、代理母出産を緩やかに認めようとしているのだ。草案では代理母を“利用”できるのは、先天的な疾患などによる不妊の女性、妊娠・出産に命のリスクがある女性、そして男性同性婚カップルである。

 

 そう、石丸氏は「SFの話」とか言っているが、現実のほうがずっと先をいっているのだ。「医療技術を使って、女性の身体を利用して、自分の遺伝子を残す」という「少子化対策」は、「少子化対策」という大義名分だけでなく、「同性愛者の権利」というリベラルな価値としても肯定されている。

 

 数カ月前、台北を旅行したときに、セクシュアルマイノリティーが集まるエリアで夜を過ごした。そこで小さな子どもと一緒に食事している男性カップルの多さに私は本当に驚いたものだ。

 

 その話をすると「素敵ね!」とふんわりと喜ぶ人が多いのだけれど、私にはどうしてもモヤモヤする光景に映った。モヤモヤというよりは、はっきりと、苦しかった。同性婚に私は賛成だが、その後に起きることが「こういう世界だ」ということを目の当たりにしたからだと思う。

 

 同性婚が成立した後は、男性のカップルも子どもを持ち育てる権利が必ず語られていくだろう。それは同性愛者と異性愛者の「結婚の平等」という観点からも肯定されていくだろう。そして法整備がされていくだろう。それは結局、女性の身体を利用した代理母出産の肯定と、生殖補助医療ビジネスの発展につながっていくだろう。そこは、圧倒的に経済的格差のある女が、自分の身体、自分の生活、自分の人生、自分の命をかけなければいけない身も蓋もない世界だ。

 

 今回の都知事選のなかで、蓮舫さんの過去のSNS投稿が話題になった。

 

「同性愛議員が代理出産で授かった息子さん、父親産休明けのその議員の息子を議長が授乳。 日本ではなんとも遠い遠い景色に見えますが、この多様性を当たり前にしたいのです。仕事も。子どもも。そして、多様な家族の形態も。 誰もが認め合える社会を」(2019年8月22日)

 

 蓮舫さんに限らず、こういう世界が新しく見え、理想的に見え、キラキラと見え、うつくしいものに見える感覚を持つ人は多いだろう。でも実際に起きているのは、端的にいえば女性の身体の搾取である。例えば、アメリカで男性カップルが「双子がほしい」と望んだとき。彼らは同じ女性の卵子とそれぞれの精子を受精させる。そしてそれをまた別の2人の代理母に移植する(双子出産は代理母への負担が重たいため近年は禁止されている)。そうすることで、同じ女性の卵子でそれぞれ2人の遺伝子をもつ「双子」が生まれるという考えだ。実際にそのように双子を得たカップルがいる。これは、私たちが目指すべき「誰もが認め合える社会」なのだろうか。求めるべき「多様な家族の形態」なのだろうか。

 

 蓮舫さんの5年前の投稿に対して、代理母出産に危機感を募らせる女性たちが蓮舫さんに問いかけをしたが、反応はなかった。蓮舫さんは答えられなかったのかもしれない。多様性というキラキラした正しさは、時に、女の声を塞ぐことがあるという現実を前に。蓮舫さんだけではない。きっとそういう葛藤を、まだまだこの国の政治家は言語化できていない。そして「SFの話」と言ってしまうくらいに無知なのだ。

 

 そう、テレビは一瞬でいろんなものを映し出す。SNSでの軽い言葉は消えない。そしてわかるのは、私たちの社会は、まだまだ女の声にも身体にも乱暴過ぎるということだ。

 

 *全文は上記URLに跳んで読んでください。

 

 

んで。

その上でおいらはまたしょーもないこと考えた。・・・と。

人工子宮って技術、この先たぶん出てくるよな。

それネタにSF書いてみたら面白いかも。。

毎週末、我が子の成長を楽しみに見に来る2人の父親を

ガラスの中から眺めている胎児の視点で書いてみるの。。