大村友貴美さんの『首挽村の殺人』(くびきむらのさつじん)を読みました。

第27回(2007年)横溝正史ミステリ大賞の〝大賞受賞作〟です。



吉村昭さんの作品に、1915年12月9日から12月14日にかけて、北海道苫前郡苫前村三毛別六線沢で発生した日本史上最悪の熊害〝三毛別羆事件〟に材を摂った『羆嵐(くまあらし)』が在ります。

横溝正史さんの作品に、古い因習が息づく鬼首村での伝承される手毬唄になぞらえた連続殺人事件を扱った『悪魔の手毬唄』が在ります。



医師の滑落死に端を発する連続殺人事件。

村の全家庭に配られた広報紙別冊の小冊子『鷲尻村のむかし噺』に沿って事件が装飾される見立て殺人。

熊の罠での圧死、橋の欄干での首吊り、熊の襲撃、滝に逆さ吊り。

・・・・・・殺人事件のてんこ盛りで、過疎地の村は忙しい。

赤い熊も襲ってくるし・・・・・・。



妹を守る兄の姿に悲哀が……。

・・・・・てか、動機は嫉妬による勘違い?。



巻末に選評がある。

坂東眞砂子さんのコメントは、興味深い。

流石は、『狗神』と『山妣』を著した作家だ。



私は、〝横溝正史ミステリ大賞〟を意識して受賞作品を手にしたことは有りません。

・・・・・・が、

巻末の受賞作品リストを辿ったら、

斎藤澪さんの『この子の七つのお祝いに』(第1回)と、石井竜生さん・井原まなみさんの『見返り美人を消せ』(第5回)を読んでいました。

共に、優れた作品です。



サジドレ声って?。

断末魔の叫びなの?。

・・・・・・使う?。



タイトルは、改題前の『血ヌル里、首挽村』が好きかな。

私は。


【二世の契り・にせのちぎり】