先日、放送でも話しましたが、
朝日新聞の朝刊社会面に
"いじめられている君へ "という連載があります。
そこに、8月16日、
政治学者の姜尚中(カンサンジュン)
さんが登場いたしました。

僕はこのメッセージを聴いて涙がでるほど包まれました。

そこには堅物でつまらない大人ではなく、子供心を忘れない、いい塩梅で、しなやかな言葉が綴られていました。

本来、権利の問題もあるでしょうし、
許可もとっておらず、勝手にこの様なことをするのはマズイことだと百も承知ですが、多くの若者達に伝えたく
朝日新聞に載せられた
姜尚中さんの想いをそのまま、紹介します。


いじめられている君へ

家出をしよう。
つらいとき、「ドラえもんのタイムマシンにでも乗って違う世界にいきたい」と思ったことはないかい。

それは無理でも空間を劇的に変えることはできる。自分を苦しめている世界から脱出してみよう。
そうすれば必ず、今いる世界がちっぽけに思えてくる。

僕は中学時代の夏休み、
同級生と2人で1カ月間、家出した。
真夜中に家を抜け出し、熊本から夜行列車で東京に向かった、カバンに数日分の下着と、親の財布からこっそり「前借り」したお金を持ってね。
前年に東京五輪もあり、東京がどんな世界なのかどうしても、見てみたかったんだ。

新聞販売所に住み込みで働きながら、
新宿、上野、銀座といろいろ回った。
初めて食べたカツ丼の味に感動した。
東京タワーから街を見下ろすと、
すべてがちっぽけに見えた。

家に帰って、母親からすごく怒られたけど、もう以前の自分ではなかった。
ひとまわり大人になったのが、自分でも分かった。

君にも「今いる世界がすべてじゃない」と気づいてほしい。
そのために家出をしよう。遠くへ。
最低でも1カ月。
どこへ行ってもコンビニはあるし、
夏なら野宿もできる。
保護されそうになったら、
そこはうまく切り抜けて。

1カ月も君が行方をくらませば、
学校も親も級友も大騒ぎする。
そして君がいなくなった原因を考えるはずだ。
帰ってきたら、きっと何かが変わっている。
君自身も「家出の原因はいじめだった」と堂々といえるようになっているはずだ。
君にはどうしても生き延びてほしい。
人生最初の大人になるいい機会だと思って、家出をしよう。

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なんて素敵なメッセージだろうと
思いました。そしてそれは活字であるからより響く。ラヂオも良いけれど、
同じ事を言ってみても声にするとまた少し違ってくる。話し方や声の好き嫌いもあるだろうしね。
でも活字は各々が心で読む。
だからより響くんだよなぁ。

とにかく皆にこのメッセージを伝えたい。

そして姜尚中さんに会いたいなぁ。



「み」