そのアニメファンに絶大な人気を受けたのが、1974年に放映された「宇宙戦艦ヤマト」である。
 ヤマトというのは不思議な作品である。
 アニメ界の流れというものからほとんど関係なく、突然変異的に生まれてきた作品だった。
 あえて言えば同じプロデューサーによる「海のトリトン」がその前駆的作品だった。
 「海のトリトン」は富野喜幸のデビュー作でもあり、原作手塚治虫でもあり、虫プロ系の作品と言えないことも無い。
 ストーリーは原作をほとんど無視していたが。
 1977年の「再編集版ヤマト」の大ヒットにより始まった「アニメブーム」。
 「アニメージュ」等のアニメファンを対象にしたアニメ雑誌の創刊など、アニメは新しい若者文化として産声を上げたのである。