まず、美術の美しさが特筆に値する。
それは、今までの超天才達、すなわち出崎統や幾原邦彦に匹敵し、あるいはそれを越えるかもしれない。
ましてや、スーパーヒットメーカー宮崎駿の美術を数段上回ると言って良い。
この美術を見るためだけでも、一見の価値はある。
出崎統も幾原邦彦も知らない一般観客は、この美術だけでもその芸術性にショックを受けたことは十分理解できる話だ。
だが、それだけでこの大ヒットは起きないだろう。
もうひとつは、切ないのだ。
何処がどうせつないのかは、ネタバレになるので避けるが、せつなさというのは、日本の独特な美意識だろう。
ユーミンが、せつなさを第一に考えて作詞すると言っていたことを思い出す。
「君の名は。」はユーミンの歌詞以上にせつなさに満ちている。
そして最後の一瞬で・・・止めよう、ネタバレだ。
「せつなさ」は日本の大衆文化におけるヒット性の一番の要因だろう。
このふたつが「君の名は。」をスーパーヒットたらしめた要因だろう。