昨日は七月四日、アメリカ独立記念日だった。

 建国して約二百四十年というところか。

 アメリカは今後どうなるのだろうか。

 アメリカは大戦後、世界の警察官としての職務を負わされた。

 しかし、アメリカはヨーロッパにおいてこそ「正義」であったろうが、アジアにおいては植民地権益を守ろうとする「悪」であった。

 にもかかわらず一方的に日本を「悪」に祭り上げた結果、アメリカはアジアにおいては悪を正義と強弁するよくある帝国主義国家になりはてた。

 その結果がベトナム戦争であり、朝鮮戦争であり、さらに言えば中国の共産化であった。

 国内に先進国史上最低最悪の人種差別政策を引きずったまま、正義を名乗るのは、あまりにも無理があり、それは初の黒人大統領を迎えた現在もアメリカの大義名分を大きく損ねている。

 アメリカは現在圧倒的な軍事力で世界に君臨しているが、その軍事力に陰りが見え、変わって存在を主張している中国は、アメリカの比ではないほど悪辣非道な悪の帝国である。

 アメリカは少なくとも国家間の平等や、人種間の平等を大義名分としている。それは正しい。実態はともかく。

 しかし中国にはそういう評価されるべき大義名分すらない。

 アメリカに代わって世界にあまねく「正義」を広げられる国はあるのだろうか。

 ひとつある。

 しかしその国は眠っている。

 もともと平和をよしとして、国内に引きこもりやすい国である。

 だが、目覚める気配もある。

 アメリカは、世界はどう動くのだろうか。