◎ソロモンは連邦側の要塞だった

 戦前の連邦・ジオンの勢力図では、ジオンの勢力範囲はサイド3本国と月のグラナダ一帯だけだったはずである。

 ア・バオ・ア・クゥーはジオンの要塞だったろうが、サイド3から遠く離れたソロモンが戦前からジオン側であった可能性は極めて低いと思われる。

 とするならば、開戦時(一週間戦争)のハイライトはジオンによる「ソロモン攻略戦(当時はソロモンという名前ではなかったろうと思えるが)」であったはずだ。

 戦前の連邦軍は、ソロモン要塞自身が持つ戦力とソロモン艦隊を中心に編成されていたはずである。

 当初から、この「ソロモン」を攻略できるか否かが戦争の帰趨を決めることとなると判断されていたはずであり、宣戦布告直後に奇襲攻撃をかけたものと思われる。

 この攻略戦で、ジオンは初めて要塞攻略戦用兵器ザクを投入し、その威力の前に、難攻不落といわれた「ソロモン」は、あっけなく落城したものと思われるのである。

 「ソロモン」を落としたのが、ただ一機のザクであり、そのボディが赤く塗られていたとしても不思議はない。

 一機のザクであれ、要塞内部に入り込まれたら、当時の内部での戦いなどほとんど想定していなかった連邦軍に防ぎようがなかったはずである。

 それによって、モビルスーツの有用性が連邦にも理解され、後の連邦モビルスーツの開発に繋がるのであろう。

 従ってジオンから遠く離れたルナツーは、要塞ではなく、あくまで後方の補給基地に毛の生えた程度のものだったと推定される。

 画面で見ても、ルナツーはとうてい最前線の要塞とは思えないものだったのも当然というべきだろう。