BMWが面白い車を出した。

 要は比較的短い距離を走るだけの蓄電池と、それに電気を供給する発電専用のガソリンエンジンを積んだ車である。

 正直言ってこれを聞いたときは、え!?と思った。

 そして盲点だったと思った。

 これは、現時点においてはもっとも理想的な解決方法かもしれない。

 電気自動車にとっての問題点は、日常では数10kmも走れば十分だが、週末や旅行に際してはその数倍~数十倍走らねばならないことだ。

 週末や旅行にあわせると、日常では使わない大量の高価で重い蓄電池を積まねばならない。日常にあわせると、長距離ドライブが不可能になる。

 この「ハイブリッド」車なら、日常では完全電気自動車として使える。

 長距離ドライブに際しては、搭載したガソリン式の発電機で電池に充電しながら走れる。

 余計な蓄電池を積まなくて良いから、重量的にもコスト的にも有利だろう。

 超長距離走る場合は、そこいらへんにあるガソリンスタンドで補給すればよい。

 既にあるインフラが使えるわけだから、新たなインフラは不要だ。

 産油国も助かる。

 発電専用のガソリンエンジンならば、通常の動力用のエンジンよりもはるかに小さく、高効率なものが搭載できるだろうと思われる。

 エンジンのレイアウトも自由である。どこにでも積める。

 この「ハイブリッド」車でガソリンの消費を押さえ、そして技術革新で安価で強力な蓄電池の開発を待ち、完全電気自動車の時代を迎えればいい。

 また、この方式だと水素に対応しやすいだろう。ガソリンに代わって水素で発電すれば良いだけだから、燃料電池が高価なうちはこの方式が使えるだろう。

 いやはや、これは大変なアイデアかもしれない。

 ただ、BMWの実車を見るとそのアイデアをまだ生かし切れていないように感じた。

 日本車に期待したい。