世界的に日本=男尊女卑国家というイメージで見られている。

 その根拠は、日本の企業や官公庁に、高い地位の女性が少ないと言うことである。

 その結果、男女平等ランキングでは常に下の方にランクされている。

 しかし、巷では日本は男尊女卑どころか女尊男卑国家だという意見が強い。

 この落差はどういうことだろうか。

 そもそも世界では稼いだ金は稼いだ人のものであり、稼いだ人が主体的に使うのが当たり前である。

 稼いだ人、すなわち夫のものである。

 妻には夫から生活に必要なだけの金額が渡される。

 私が考えるに、アメリカにおける女性解放運動とは、つまるところこの状況から脱却し、妻も自分の金を持ち、自由に使える状況を作りたかったということではないのだろうか。

 自分で自由に使える金を持つためには、自分が働くしか方法がなかったということなのだろうと考える。

 社会参加による自己実現がどうのというのは、後付の理由であり、要は「金がほしい!」というわかりやすい一念であったと思う。

 だからこそ、大衆運動として拡がったのであろう。

 さて、それに比較して我が日本ではどうか?

 日本では、夫の給料は封を切らずにそのまま全額を妻に渡すのが当たり前である。

 言うならば「使う人と稼ぐ人」の分離である。

 こうして、日本では金を自分の考えで使いたいという欲求がかなえられているために、女性は働きたいという欲求を感じることが少なく、その結果、高い地位の女性が少ないのではないだろうか。

 日本では当然のこの慣習だが、外国でこういう慣習のところがあるのだろう?

 おそらくその調査が行われたこともないのだろうと思うが、推測で言うならば、日本だけであると思われる。

 日本だけの慣習だから、諸外国はそれを男女同権のポイントとして考えず、それゆえに日本の男女平等ランキングは低いのではないだろうか。

 このランキングには、納得できないものを感じるのである。