電力会社は発電業と送電業を両方地域独占する独占企業な訳だが、太陽光発電はその発電業の地域独占を崩す可能性があるものな訳だ。

 一軒一軒の家が独立した発電所になる。

 それが太陽光発電が他の自然エネルギと違う大きな特色であり長所であるわけだ。

 もちろん電力会社の大発電所に比べれば極めて小さな発電所である。

 しかし、それは短所ではなく長所である。

 既に今年の4月末で100万世帯を突破したという報道がなされた。

 これからは加速度的に増えるだろう。

 この数をまとめれば電力会社の大発電所に劣らない発電量になるのである。

 さらに典型的な分散型発電所であるため、災害などによる停電に強い。

 太陽光発電による発電量は、10年の内に数千万kwもの量になるだろう。

 電力会社はこれだけの量を使わなければいけない義務が課せられているわけだ。

 そうすると必然的に原子力発電はもとより、火力発電も暫時削られることになっていく。

 最終的(数十年後か?)には電力会社は水力発電だけを行うことになる。

 もちろんそこまでいくためには、各家庭に蓄電設備を置く必要があるが、それは今後の電気自動車用の電池の中古品でまかなえるだろう。

 もちろんその頃には高額買い取り制度は無くなっているだろうが、太陽電池の価格は私が予想するよりも急激な値下がりをしそうである(正直言って我が家は早すぎたかなと思わないでもない。まあ仕方ないが)。

 そのため、一端弾みが付いた太陽光発電導入ブームは完全に根付いてしまうだろう。

 おそらく新築の家は100%太陽光発電設備が取り付けられるだろう。

 新築の工場や小売店、学校、官公庁も同様である。

 日本中発電所だらけである。

 それは即ち、電力会社から発電業務の多くを奪うことに他ならない。

 それは電力会社にとって死活問題である。

 競争という概念から無縁だった電力会社がとてつもない強敵との競争にさらされるのである。

 送電会社としては、各太陽光発電所の電力を太陽光発電を導入していないところに振り分けるために使われると予想されるため、生きのびることが可能であるだろう。

 電力会社の発電業と送電業を分割するという随分前から言われながら電力会社のロビー活動に屈していた事案が実現するわけである。

 いや、送電業の面でも、各発電所が完全に自給自足だけを考え、他への電力供給をやらないようになれば不要になる(町内レベルでの送電は行われると考えられる)。

 電力会社は極めて小さくなってしまうだろう。

 電力会社にとってはとんでもない話である。

 しかし太陽光発電をこのままにしておけば、近い将来、現実化する可能性が高いだろう。

 頭だけは悪くない(モラルは最低だが)電力会社の手先どもはその「危険性」に気づいているだろう。

 親分の一大危機である。

 しかし、太陽光発電の増加は国の政策であり、すでに決定してしまっているものを、電力会社といえどもむげには出来ない。

 どうするか?

 太陽光発電の悪口を言いまくるのである。

 ネットを見ていると、太陽光発電の悪口には事欠かない。

 中には、太陽光発電を導入するものは売国奴だなどと書いている輩もいる。

 売国奴はお前だろうと言うべきだが、まあ、そんなことを言って泥仕合をする必要もない。

 日本は太陽光発電国家へと舵を切ったのである。

 このまま進めば良いだけである。

 まだしばらくは太陽光発電の規模が小さく、電力会社に原発の再稼働を許したりもしたが、10年後にはそんなこともなくなるだろう。

 まあ電力会社が、我々が想像できないほどの反太陽光発電方法を見つけ出さなければではあるが。

 奴らは頭は悪くない。そして道徳性は最悪なわけだ。

 これから10年は連中の最後の足掻きが見られるだろう。

 これをくぐり抜けねば、真の太陽光国家は誕生しないだろう。