かつて、中国人が全員冷蔵庫を買ったら世界が滅びるとまことしやかに言われていたものである。

 今、中国人は冷蔵庫のみならず、車を欲しがっている。

 いや、中国人だけではない。

 インド人もタイ人も、要するにアジア中が車のある生活をしたいと願っている。

 その需要を石油で満たすのはさすがに不可能であるだろう。

 では、石油に変わるエネルギーは?

 量的に無尽蔵に近く、環境に悪い影響を与えず、もちろん放射能など出さない。

 そういうエネルギーは?

 ある。

 太陽エネルギーである。

 太陽光発電は低緯度ほど良い。

 つまり、東南アジア、南アジア、アフリカ、中南米に向いている発電方式なのである。

 これらの地域は今でこそ貧困地域だが、将来の発展が期待される地域であるわけだ。

 日本が太陽光発電を補助金なしで成立させたならば、その技術は東南アジアや南アジアに流れ、そこの経済発展に大いに役立つだろう。

 それは、そういった国々が大量の石油を必要として、ますます中東諸国の重要性が増すようなことになることを防いでもくれよう。

 太陽光発電は、人類史的に見ても極めて重要な技術なのである。