世界一の太陽光発電先進国のドイツ(2011年末2,482万kw)だが、ドイツは決して太陽光発電に向いた国ではない。

 太陽光発電というのは原理的に低緯度地帯になるほど有利な発電方式である。

 ドイツはその高緯度のために日本に比べて約2割効率が悪いとも言われる。

 しかしもっと重大だと思われる要因がある。

 ピーク電力の違いである。

 日本においては言うまでもなく夏場の昼間がピークである。

 これはエアコンの使用のためであるが、その夏場の昼間、太陽光発電もピークを迎える。

 だから日本においては太陽光発電は相性が良いのである。

 ところがドイツの場合、そもそもエアコン需要というものがあるのだろうか?

 あったとしてもピークにはほど遠いだろう。

 ドイツの電力ピークは、冬の夜ではないのかと思う。

 太陽光発電がもっとも苦手な時期である。

 そういう不利がドイツに十字架のように重くのしかかっているのではないだろうか。

 私の想像だが、そう大きく離れてはいないと思える。

 その不利を越えて太陽光発電を普及させたドイツには敬意を表して止まない。

 ドイツは身を挺して太陽光発電の可能性と問題点を示してくれた。

 その跡を継ぐのは日本である。

 日本は2,010年代のうちに、補助金なしで太陽光発電を商業的に成立させると私は考える。