最近、太陽光発電に対して批判的で原子力推進な連中が、「ドイツは太陽光発電に失敗して、今のドイツは酷い状況だ。日本はドイツの愚を繰り返すな」などと書いているのをよく目にする。

 しかし、これはおもいっきりひどいデタラメである。実際とは全く違ったイメージを持たせてしまうことを目論んだものだ。

 少しネットで調べてみると判るが、このドイツの「失敗」なるものは、むしろ成功しすぎと言う方が正しいものだ。

 何せ2010年、政府の目標値としては300万kwだったのが、740万kw、2011年同じく300万kwの目標値に対して750万kw、つまり5年分の目標値を2年で達成してしまったのである。

 それでもはや補助は不要と判断して、補助を無くそうとすると、太陽光発電バブルに沸いた業界が一気に冷え込み、倒産が相次いだ。

 このことをもって、「失敗」と言っているわけだが、これはあくまで「成功しすぎ」の言わば「嬉しい悲鳴」に当たるものだろう。

 「失敗」等というと、何やら頑張って補助したのに、太陽光発電は全然増えませんでしたという状況を想像する。

 おそらくそうとった日本人が大半だろう。

 事実はこれである。

 ドイツは大成功した。これは揺るぎない事実である。

 とはいうものの「過ぎたるは及ばざるがごとし」ではある。

 日本ではこんな加熱が起きないようにコントロールすれば良いだけのことである。

 それには補助金をドイツに比べて少なくすれば良いだけであり、極めて簡単である。

 少なすぎるものを多くすることは極めて難しいが、多すぎるものを少なくすることは極めて簡単なのである。

 少なくとも、原子力を推進する根拠などになりようがないのに、この連中の尻馬に乗って太陽光発電批判・原子力推進賞賛をやらかす阿呆なネット住人が少なからずいる。

 全くバカというか何というかである。

 日本に比べて太陽光発電に向いているとは言い難いドイツでこれだけの成功を収めたのである。

 日本が成功できないと考える理由は何もない。