「[図解]三橋貴明の「日本経済」の真実がよくわかる本」を読んだが、その中にエネルギー問題を論じている部分があるのだが、それがちょっと・・・な内容だったので書いてみます。

 三橋貴明氏の言うところによると、エネルギーの供給は安定した供給でなければならない。しかし再生可能エネルギーはこの安定した供給が出来ないから原子力等の代わりにはならないというのである。

 ふうう、である。

 三橋貴明氏のような影響力のある人がこういうことを言うと困るのだよねえ。

 まあ彼はエネルギー問題なんかには素人なんだろうね。

 「安定した供給」というのがまず間違い。

 原発のようにずっと同じ量の電気を作り続けていると、夜間には電気が余ってしょうがない。

 原発は出力が安定しているのではなく、同じ出力でしか運転できないという欠陥のある発電方法なのである。

 そのために揚水発電所なんかを作って、無駄な夜間電力を消費しているわけだ。

 そもそも電力の消費量というのは常に大きく変動している。

 その変動に従って、つまり消費が大きいときに多く発電し、少ないときは発電しない発電方法が一番良いわけだ。

 日本においてそれは夏場の昼間がピークであるわけだ。

 そして太陽光発電もまた夏場の昼間にピークを迎える。

 曇りや雨の日はどうなるかと言えば、その場合は気温も下がるから、電力消費も下がる。

 まことに都合の良い発電方法な訳である。

 実際電力会社が夜間に電力を買ってくれなんて言われたら怒るだろう。

 夜間は余っているのだ。

 だから夜間に発電しない太陽光発電はまことに都合がよいのである。

 また原発の揚水発電というのは要するに「蓄電」なわけである。

 原発と同様に蓄電すれば、太陽光発電に死角はなくなる。

 もちろんその蓄電量は原発よりずっと少なくて良いのだが。

 三橋氏の経済論は私は好きなのだが、エネルギー問題では、とんだアホをさらしてしまったなあ。

 残念である。