50ページ描き下ろしも良かったけれど、意外に収穫だったのが本編の描き足し。

 王先生のところに、旦那さんが銀座から埼玉まで7時間かけて歩いて帰ったという話はちょっとうるっと来た。

 えらいぞ、福岡男児!!

 ジンサンの月さんのところまでいく旅路も面白かったけれど、ゆんさんのだんなさんが一駅区間を走ってやってきたのが良かった。

 思うに、あの日は、関東東北中でこういう「小さな愛の物語」が繰り広げられたろうと思う。

 こういう大災害は、もちろん重大な悲劇であるのだけれど、平和であれば意識しない愛する者たちとの「絆」を大きく浮き出させる効果は確かにあるのである。