アジア解放。

 それだけ見れば美しいが、アメリカ、イギリス、フランス、オランダといった植民地大国側から見れば、自国の財産を奪おうとする敵であることは確かである。

 何故日本はナチスドイツのような露骨な人種差別主義国家と同盟したのか、昔はよく判らなかったのだが、今なら判る。

 ドイツやイタリアは植民地を持たない国だったのだ。

 だから植民地解放を目指す日本と利害がぶつからない。

 これがイギリスやフランスなら、植民地の扱いの件でぶつかってしまう。

 そのためだったのだろう。

 ドイツ、イタリアが欧州で戦えば、イギリス、フランス、オランダ等は植民地を支援する余裕はなくなる。

 要は、敵の敵は味方の同盟を組んだということなのだろう。

 遅まきながらようやく判ったような気がする。