このエピソードは原作だと第4巻になる。

 リヴァイアサンがイアンを殺した理由は、おそらく復讐心だろう。

 かつてリヴァイアサンは生き埋めにされ、仲間は全員死んだ。

 その恨みがなかったわけはない。

 自分たちを虫けらのように殺した白人貴族に対する恨みが。

 しかし、復讐後にあったのは、成し遂げた達成感ではなく、罪のない者を手にかけた悔恨と罪の意識だった。

 おそらくその段階で彼は死を望むようになったのだろう。

 ヴィクトリカがリヴァイアサンに共感したのは、彼女もまた権力者である貴族により、愛無くこの世に産み落とされた者であるからだろう。

 父親の手駒として。

 しかしたった一人を殺したことをそこまで悔やんだリヴァイアサンは、本来極めて優しい人間だったのだろう。

 ドイツ軍の飛行士を大量に殺したブライアン・ロスコーがそれを気に病んだとは思えない。

 もちろん、まず飛行機隊による大量虐殺が先にあったのではあるが。

 ココ・ローズが彼に惹かれたのも、その優しさ故だったのかもしれない。