以下の文章は、7/8のコメントに対して回答として書いたモノです。

 私がキンキ・キッズファンの知人から聞いた話ですが、キンキ・キッズは新曲リリースの際に例えば新曲をABCD4曲作り、それをAB,AC,ADという風に分けて売るのだそうです。そうするとシングル名はAで、実質3枚分のセールスになるわけです。

 キンキ・キッズのデビュー以来連続シングル1位記録というのはこういう仕掛けがあったのだと思いましたね。知人によるとキンキ・キッズファンの間でもこの売り方は評判悪いけれど、もう諦めているとのことでした。ジャニーズですねえ。

 それに比べれば、ジャケットや、リミックス、ライブ曲などといった「おまけ」をつけるだけのエイベックスのやり方は、音楽会社としての最後の矜持を保っていると思います。おまけではない作品そのものはかぶらないようにしているわけですから。

 それに今までも同じシングルを何枚も買うファンは多かったわけですから、多少なりとも変化をつけたほうが、ファンとしても嬉しいのではないでしょうか。

 私もポスターをもらうためにシングルを買ったことはありますし。

 音楽において作品そのものというのは音部分な訳ですが、現代においてはインターネットから簡単にダウンロードができるためCDの売り上げが大きく落ち込んでしまっているのはご存知の通りです。

 そうすると、今までは単なるおまけでしかなかった部分を目当てに買う人の比率が増えるわけですね。それを気に入らないのは買う人の自由ですが、実質そうなっているのは否定しがたいでしょう。

 昔からエイベックスは、CDの売り上げが近い将来ゼロになるという予想の元に動いています。甘さのかけらもないリアリズムです。CDの売り上げで築きあげられたエイベックスなのですからね。

 私はこの音楽文化そのものの危機を、エイベックスがどういうふうに切り抜けるのか、あるいは切り抜けられないのかを興味深く見守っています。

 音楽文化に起きたこの危機的状況は、映画や書籍といった他の文化にも起きているのはご存知の通りです。映画や書籍もダウンロードの脅威にさらされているわけですね。それに対抗し、新たなビジネスモデルを作り上げることが出来るのか、あるいは出来ないのかの試金石であると思います。

 日本は今や、様々な意味で世界の最先端を走っています。その最先端を走っているのがエイベックスであると思います。あの会社に対する期待は大きいです。