昨日、この本を誉めた文章を書いた直後にこういうモノを書くのも何ではあるのですが、昨日も

> この本によると、それは農水省の権益確保と失業対策のためにそのような馬鹿なことが行われているということだそうだ。
> 正直言って、ここいらへんのくだりがちょっと眉につばつけたくなったことは確かです。

と疑問に思うことを書いてますが、その部分が大きくなったという所でしょうか。

 この著者は補助金づけ農業を批判していますが、そもそも農業を補助金づけにして票田にしていたのが自民党であることは、日本の政治を多少なりとも知るものの間では常識でしょう。(NO政と言われてました)

 補助金付けの農業を批判するのであれば、批判すべきなのは自民党であることは論を待ちません。ところがこの本では自民党の批判は一切(私が気づかなかったところにあったかもしれないが、あってもほとんど僅か)ありません。

 そして批判の的になっているのは農水省と民主党です。

 政権を取ったばかりの民主党に一体批判せねばならないほどの実績があるのかどうか、言うまでもないでしょう。

 農水省も、ボスである自民党がそういう行政方針だったから、それに従っただけでしょう。役人はしょせん国民に選ばれた議員には逆らえないようにできているのですよ。(だから責任がないとは言いませんが)

 なんかこの本のからくりが見えてきたように思います。

 要は自民党シンパなのですね、この著者は。そして自民党の責任であることまで民主党や、公務員にかぶせているわけですね。

 そうすると、自民党時代には何も言わなかった著者が、民主党になったとたんにこういう本を出版した理由もわかってきますね。

 しかしせこい。

 自民党と民主党の2大政党時代を期待する者としては、自民シンパにこういうせこい戦法を使ってほしくはないのですけどねえ。

 2大政党は、夢で終わるかな。自民の復活を期待するけれど、ちょっとねえ…。

 嘘のもっともうまいつきかたは、真実のうち都合の良い部分だけを言うことだそうです。
 それで言えば、この本は「大嘘だらけの民主党批判」でしょうかねえ。
 農水省が「数字のマジック」を使うのに対して、この本は「言葉のマジック」でしょうか。

 数字のマジックを批判している部分は良いのですけどねえ。