私の友人に「民族主義が諸悪の根源だ」という者がいます。

 私は「民族主義」と言うよりも「国家主義」と言い換えた方が正しいだろうと思いますが、言わんとしていることには賛成です。(どちらも英語ではナショナリズムですが)

 自分の国のことしか考えない偏狭な人間は数多く、彼らが国をミスリードする危険はけっして小さくはないと思えます。

 「自賛史観」屋というのは要するにこの国家主義者=ナショナリストなんですね。

 国によっては、こういうナショナリスティックな史観に占有され、それ以外の史観を言う者は国内にいられなくしてしまう国もあります。こういう風になったら国は終わりでしょう。

 日本は現在のところ、ナショナリストの力は強くはないでしょう。しかしネットという武器を手にした彼らの動向には注意を払うべきかもしれません。

 ナショナリズムはかつては先進的な思想であったと言えます。

 例えば幕末の頃、皆が藩単位でしか考えない時代に国単位で考えられればそれはたいしたものだったでしょう。
 戦後の植民地独立時代においても先進的であったと言えるかもしれません。

 しかし、21世紀のこの現在においてはナショナリズムは危険な考えです。