2002年12月18日リリース 5thアルバム RAINBOW収録 Heartplace
 作曲:CREA / 編曲:tasuku シングルなし

 まー福母さんの1/10のブログに、この歌が取り上げられていました。

 私もこの歌は好きなので、この機会に取り上げてみましょう。

 まー福母さんは

 >歳をとっただけの子供も
 >大人と呼ぶべきなのかな
 >まだうまくは生きれないでいるよ

 という詩を取り上げています。

 それもいいのですが、私は、

 >きっと自由との戦いは続いていくんだろう

 という詩が気になります。

 「自由との戦い」?

 ちょっと変ですね。

 通常は「自由を得るための戦い」でしょう。あるいは「自由への戦い」

 依田体制下のavex(この時期松浦現社長はほとんど力をなくしていた)に搾取されていた、とされる時期だからますますそう考えるのが普通です。しかしayuは「自由との戦い」と言った。これはどういう事なのでしょうか。

 かつて、サルトルは「人間は自由の刑に処せられている」と言いました。

 通常、自由はすばらしいものであり、今も、多くの国にはこの自由が無く、自由を得るために多くの人たちが命をかけて戦っています。

 しかしサルトルは、自由は恐ろしいものであると言います。

 そして浜崎あゆみは「自由との戦い」を、この日本の現代社会にぶち上げます。

 世界で最も早く、豊かで自由な国を作り上げた日本ですが、それ故にこそ、次の段階の問題を抱え込んでしまったのでしょう。

 かつては、シャカ・ムニのように、王族など特別な階層の人間でないと考えなかったような問題です。

 まあ「邦楽評論家」に理解不能だったとしてもやむを得ないでしょうね。

 ちなみに今まで取り上げてきたayuの歌は、全てシングル曲ですが、この曲はアルバム曲です。
 通常、音楽業界ではアルバム曲というのはシングル曲より劣るものです。
 しかし、ayuにとっては、商業的な縛りのあるシングルよりも、アルバム曲の方が自由にやれるからでしょう、アルバム曲にこそ傑作が多いのですね。
 そこいらへんも今後やっていきたいと思います。

 もうひとつ、作曲のCREAというのは、ayuの作曲時ペンネームです。
 ayuファンには常識ですが、ファンで無い人は知らないでしょう。
 自分が作曲したということで、特別な目で見られることが嫌だったからペンネームを使ったということですが、そういう潔癖症は音楽界で生きていくのには、マイナスかもしれませんね。