人に言えない趣味 | UNDER THE TREE

誰しも何かしら人に言えない趣味ってあると思います。

それを今日はカミングアウトしたいと思います。


私の人に言えない趣味…それは、「朗読すること」です。


…………しょーもなーって声が聞こえて来そうですが。


でも、微妙に恥かしいんです、これ。

まぁ常に声は小さく絞ってはいますけども、感情込めて朗読中に部屋に人が来たりした日にはもう…とても気まずいです。


でも、朗読した方が確実に全文読めるんですよね。

私は読書するとき、黙読だと無意識に自分が「あまり必要ない部分」だと感じるところを飛ばし読みしてしまう癖が昔からありまして。話の大筋にはあまり影響のないところだけれども、そういう部分も読む事に読書の醍醐味ってあるんじゃないかと感じ、朗読を始めたわけです。

これが意外と楽しくて、部屋で本を読む時は大抵朗読をするようになりました。

特に文学作品は朗読がおすすめです。

もともと純文学とかあまり好きじゃなくて、さっさと読もうと「すっ飛ばす部分」を探してしまうわけですよ。そうすると、作品によってはほぼ全文に渡って私の「読み飛ばしてもいい」センサーが働いてしまったりして、投げ出す事も多かったんですがw


でも朗読すると文章そのものが頭にすっと入って来るし、ひとつひとつの文を丁寧に追う事によってその文章自体の美しさにも惹かれるようになり、純文学も好きになりました。


福永武彦は、最も著作を朗読するのが好きな作家ですが、残念ながら現在では新しい状態で作品を手に入れる事が困難でして。つい先日古本屋でまだ持っていない短編集「夢見る少年の昼と夜」を見つけた時は、すごく嬉しかったんですが(しかも105円…素直に喜んでいいのやら…orz)、一番欲しい長編作品「死の島」がどうしても見つからないー。

かくなる上は古書のネット通販に頼るか、電子図書を購入するか…悩む。

復刊ドットコムでやっと復刊されたと知った時には大喜びで、絶対買おうと思ってたんですが少部数の限定復刊なだけあり、やっぱり高い!!一冊5000円だから、上下巻そろえると10000円。ムリ!

ていうか、日本文学大賞受賞した作品なんだからちゃんと再版して欲しい。

ほんと素晴らしい作家さんです。

「草の花」「忘却の河」あたりは名作だし、普通の書店でもまだ手に入ると思うので興味のある方は是非読んでみてください。