図書館での本探しとウェブサイトの情報設計。一見すると関連性が薄いようだが、実はSEOにおいて重要な示唆に富んでいるのだ。

僕は学生時代、よく図書館に通っていた。膨大な蔵書の中から目的の本を見つけ出すのは、まるで宝探しのようだった。図書館には、十進分類法という本の分類システムがある。これは本を主題ごとに分け、各主題にそれぞれ番号を振るというものだ。

例えば、「日本史」は210、「世界史」は209というように、数字の組み合わせで分野が表現される。図書館の本棚はこの番号順に並んでいるため、探している分野の番号さえわかれば、目的の本を効率的に見つけられるのだ。

この十進分類法は、ウェブサイトの情報設計にも通じるものがある。ウェブサイトの各ページは、それぞれ固有のURLを持っている。そして、そのURLの構造自体が、ページの主題や階層を表現しているのだ。

例えば、「https://www.example.com/fashion/shoes/sneakers」というURLがあったとする。これを見ると、このページは「ファッション」カテゴリの中の「靴」サブカテゴリに属し、さらに「スニーカー」について書かれたページだとわかる。

この情報設計は、ユーザーにとっては直感的にページの内容を理解しやすくなる。そして同時に、検索エンジンにとってもページの主題を正確に理解する手がかりになるのだ。

SEOの世界では、このURLの構造を「URLパス」と呼ぶ。GoogleなどのSEOでは、URLパスに含まれるキーワードを手がかりに、ページの主題を理解しようとする。つまり、URLパスはページの内容を端的に表す、重要なSEO要素の一つなのだ。

だから、ウェブサイトを設計する際は、図書館の十進分類法のように、URLパスにページの主題を反映させることが大切だ。これによって、ユーザーにもGoogleにも、ページの内容が正確に伝わりやすくなる。

僕がWEBマーケターとして関わったあるECサイトでは、当初、すべてのページのURLが「https://www.example.com/p=123」のように、商品IDのみで構成されていた。これではGoogleにページの内容が伝わりにくい。そこで、「https://www.example.com/category/subcategory/product-name」のように、URLパスにカテゴリ名や商品名を含める構造に変更した。

するとどうだろう。商品ページの検索順位が上昇し、流入が増加したのだ。Googleが、URLパスからページの主題を正しく理解できるようになったためだ。

図書館の本を探す時、僕たちは十進分類法の番号を頼りにする。それと同じように、GoogleはページのURLパスを頼りにしてページの主題を理解しようとしている。だからこそ、ウェブサイトの設計においては、URLパスの構造が重要なSEO要素になるのだ。

本を探す際の工夫が、ウェブの世界でも通用する。そんな発見を僕はしたのだった。