僕は昨年の忘年会シーズンのこと、とても印象的な出来事があった。

当時、年末商戦に向けてWEBマーケティングに力を入れていた。大量のメルマガを配信し、少しでも多くの人に開封してもらおうと頭を悩ませていたのだ。

ある夜、仲間と飲みに出かけた。パーティのような賑やかな店内で、ふと興味深い会話が耳に入ってきた。隣のテーブルにいた女性が、友人とメルマガの話をしていたのだ。

「私、◯◯さんのメルマガ、毎回楽しみにしてるの。だって、件名がいつも私への問いかけみたいで、開かずにいられないんだもん。」

その言葉に、ハッとした。確かに、自分宛てに語りかけられているような件名なら、思わず開封したくなる。

それからは、メルマガの件名を考えるのが楽しくなった。「【山田さん必見】今月のお得な情報はコレだ!」「鈴木さん、ちょっとした工夫で毎月1万円お得になるって知ってた?」

登録者の名前を件名に入れ、まるで親しい友人から送られてきたかのような書き方をしたのだ。すると、開封率が驚くほど上がった。中には「まるで自分に送られてきたみたいで、びっくりしました!」というリプライをくれる読者もいた。

実はこのような件名は山田さんや鈴木さんでなくても気になって、思わずクリックしてしまうものだ。

僕はこの経験から、マーケティングというのは、相手の心に寄り添うことが大切なんだと学んだ。たとえそれがメールであっても、一人一人に語りかけるような姿勢を持つことで、相手に開いてもらえるのだ。

今でも新しい施策を考える時は、あの夜カクテルパーティで耳にした会話を思い出す。相手の心をつかむコミュニケーションの極意は、時と場所を問わず通用する。これからも、一人一人の心に寄り添うマーケティングを心がけていきたいと思う。