雨漏りは築古物件において頻繁に見られる問題で、無視すると建物の劣化や高額な修繕費用に繋がることがあります。特に不動産投資家にとって、雨漏り物件の購入は大きなリスクを伴います。

 

そんな雨漏り物件でもリスクを回避する手段はあります。適切なタイミングで適切な業者に見てもらって、適切に対処すれば、問題の根本を特定し、適切な修理を行うことができます。専門業者は豊富な経験と知識を持っており、効率的かつ確実に雨漏りを修理できます。自己判断や一般的なリフォーム業者では見逃してしまうような細部までチェックし、長期的な視点で問題を解決します。

 

本記事では、雨漏り修理の重要性とその方法、信頼できる修理業者の選び方、そして雨漏り物件を購入する際のポイントについて詳しく解説します。さらに、私自身の苦い経験談を交えながら、具体的な対策やリスク管理についても触れます。

 

雨漏りに対する正しい知識を身につければ雨漏り物件を過度に恐れる必要はなくなります。雨漏り物件のリスクを理解し、適切な修理方法を選択することができるようになります。また、信頼できる業者の見極め方や修理費用の見積もり方を知ることで、安心して不動産投資に取り組むことができるようになります。

 

 

私が内見の際に必ず確認するのが、“建物の傾き”と“雨漏り、もしくは雨漏りの痕跡の有無”です。どちらも築古物件にはかなりの高確率であることが多いです。そして時には修繕費用が高額になることもあるので、これらの物件を買うかどうかはコストをしっかりと予測して慎重に判断する必要があります。

 

参考) 傾きのある物件は買ってもいい?

 

傾きのある物件については以前記事にしたので今回は雨漏りのある物件について解説したいと思います。

 

まずは雨漏り物件を購入したことによって失敗してしまった私の苦い経験をお話しします。私が大阪で不動産投資を始めて間もない頃、確か3件目に購入した物件ですが、かなり深刻な雨漏りがありました。しかし、内見時には奇妙なことに天井には雨漏りの痕跡はなく、畳に大きなシミがあっただけでした。もちろん私は雨漏りの可能性を疑っていましたが、当時の私はまだまだ経験不足で、激安価格だったその物件にさらに指値を入れて買ってしまったのです。

 

築古のボロ物件だったのでリノベーションは必須です。複数の業者から相見積もりを取って、その中のひとつの業者に屋根の状態を確認してもらいました。その業者はベランダの策の上に登って屋根を目視でチェックしてくれて、「大丈夫!雨漏りはなさそうですね。」と言ったので私はその言葉を信じてしまったのです。今の私なら「屋根の上に上がって見てください!」と言うか、屋根修理専門の業者に見てもらうところですが、当時の私はそこまですることなく屋根はOKと思ってしまったのです。

 

リノベーションが終わって賃貸募集をかけたところ、激安物件で賃料も安めに抑えられたため、ほどなく入居者も決まりすべて順調と思われていました。しかし、ある大雨の日、その入居者さんから電話があり、「雨漏りが大変なことになっています!」と切迫した様子で言われました。私も急いで現場に行ってみると、やはりあの畳にシミがあったエリアを中心にダダ漏れ状態でした。私が行った時にはすでに雨は止んでいたので修理業者には翌日来てもらうことになりました。また入居者さんもとてもいい方だったので、その場は収まりましたが、屋根の修理費用に追加で50万円余りかかりました。物件価格とほぼ同じ値段です。リノベ費用を入れた実質利回り20%強と思っていた物件が、15%程度にまで落ちてしまいました。

 

この件依頼、私は雨漏りに対してより慎重に調べるようにしています。そもそもは見積もりに来た業者の言うことを鵜呑みにしてしまったため今回の件が起こってしまいました。業者にも得意分野と不得意分野があるので、屋根を見てもらうのなら屋根工事を得意とする業者に見てもらうべきでした。

 

この物件以降、今までに雨漏りのある物件はいくつか購入してきましたが、雨漏りの疑いがある場合は必ず、専門業者にチェックしてもらうようにしています。

 

参考までに以下に私が、雨漏りのある物件の購入を考える際に考慮する事項を列挙していきます。

 

 

雨漏りのリスクとその影響

 

雨漏りは、物件の構造的な問題を示すことが多く、放置すると建物の劣化を早める重大なリスクを伴います。具体的には以下のような影響が考えられます。

 

木材の腐食: 建物の構造材が雨水にさらされることで腐食が進み、強度が低下します。

 

カビの発生: 室内に湿気がこもることでカビが発生し、健康被害を引き起こす可能性があります。

 

断熱材の劣化: 断熱性能が低下し、光熱費が増加する恐れがあります。

 

美観の低下: 雨染みや汚れが壁や天井に現れ、物件の見た目が悪くなります。

 

これらの影響を考えると、雨漏りのある物件は一見して避けたほうが良いように思えます。しかし、適切な対応と修理を行うことで、雨漏りのある物件でも魅力的な購入対象になることがあります。

 

 

修理の可否とコスト見積もり

 

雨漏りの修理は可能ですが、コストと手間を十分に見積もることが重要です。以下のポイントを確認しましょう。

 

原因の特定: 雨漏りの原因がどこにあるのかを専門家に依頼して調査してもらいましょう。屋根の劣化、窓枠のシール不良、外壁のひび割れなど、原因はさまざまです。

 

修理方法の選択: 原因に応じた最適な修理方法を選択する必要があります。部分的な補修で済む場合もあれば、大規模な工事が必要な場合もあります。

 

修理費用の見積もり: 修理にかかる費用を具体的に見積もり、それが予算内であるかどうかを確認します。費用対効果を考慮し、投資が将来的に見合うものであるかを判断しましょう。特に築古物件だと大屋根全体を取り換えるような大規模工事になる可能性もあるので、見積もり比較サイトやイエローページなどを活用して相見積もりを取ることをお勧めします。

 

 

費用対効果を考えて購入すべし

 

雨漏りのある物件にはリスクが伴う一方で、今回の例のように価格が比較的安く設定されている場合があります。適切な修理を行うことで、以下のようなメリットを享受することができます。

 

物件価値の向上: 修理後には物件の価値が上がるため、将来的な売却時に利益を見込むことができます。

 

快適な居住環境の実現: 雨漏りの問題を解決することで、安心して快適に住むことができます。

 

カスタマイズのチャンス: 修理の過程で、自分好みの屋根にカスタマイズする機会を得ることができます。現在では瓦屋根よりも安価で災害に強い屋根もありますので選択肢は豊富です。

 

 

結論

 

雨漏りのある物件を購入するかどうかは、修理費用とその効果をしっかりと見極めることが重要です。専門業者の意見を取り入れながら、リスクとリターンを慎重に評価することで、賢い不動産投資を実現しましょう。雨漏り物件も、適切な対処を施せば魅力的な資産になる可能性があります。