賃貸経営は、安定した収入を得ることができる比較的リスクコントロールがしやすい商売です。店舗経営などに比べるとリスクは少ないと思いますが、それでも大家業として起業し、成功するためにはいくつかのポイントを押さえておく必要があります。

 

私は大阪で大家業を始めて9年目になりますが、今から考えると結構危ない橋を渡ったこともありました。運がよかったと自分でも思いますが、もっと勉強して知識武装しておくべきだったと思うことも多々あります。

 

本記事では、そのような反省も踏まえながら賃貸経営を始めるための基本的なステップや成功するためのコツ、そして金融機関との関係構築についても詳しくご紹介します。

 

 

1. 事前準備をしっかり行う

 

賃貸経営を始める前に、まずはしっかりとした計画を立てましょう。市場調査を行い、どのエリアが賃貸需要が高いのか、競合物件の家賃相場や設備状況を把握することが重要です。また、自分が提供する物件のコンセプトやターゲット層を明確にすることで、戦略的な賃貸経営が可能になります。

 

私が最初に買った物件は、ただ割安だったという理由だけで買ったので、後々入居付に苦労することになりました。例えば、賃料の安い連棟物件が乱立するようなエリアに築古の連棟を買うと賃貸付けに苦戦するのは目に見えています。よほど差別化できる自信があるのならともかく、初心者はこのような激戦エリアは避けた方が無難でしょう。

 

 

2. 資金計画を立てる

 

賃貸経営にはある程度まとまった初期投資が必要です。物件の購入費用、リフォーム費用、仲介手数料、広告費用などを含めた資金計画を立てましょう。また、初期投資だけでなく、ランニングコスト(維持管理費、修繕費、税金など)も考慮することが大切です。自己資金だけでなく、銀行からの融資を利用する場合は、返済計画もしっかりと立てておきましょう。あと意外と盲点なのが火災保険料です。近年保険料が高騰していて無視できない額になってきているので、しっかりと収益計算にいれて見積もりましょう。

 

 

3. 物件選びは慎重に

 

成功する賃貸経営のためには、物件選びが非常に重要です。立地条件、周辺環境、交通アクセス、近隣の生活施設などを考慮して、入居者にとって魅力的な物件を選びましょう。また、築年数や建物の状態もチェックポイントです。新築物件だけでなく、中古物件もリノベーションすることで高い賃貸需要を見込める場合があります。近年リノベーションコストが急騰しているので、なかなか素人が内見時にコストを見積もることは難しいです。できれば購入前に業者に概算のリノベコストを見積もってもらうのがベストです。

 

 

4. 賃貸管理のプロフェッショナルを活用する

 

賃貸管理は、多くの手間と時間がかかる業務です。入居者の募集、契約手続き、家賃の徴収、トラブル対応など、幅広い業務を効率的に行うためには、管理会社に任せることを検討しましょう。信頼できる管理会社を選ぶことで、自分の時間を節約し、安定した賃貸経営を実現することができます。ちなみに私は、専業であること、規模がまだそれほど大きくないことから自主管理しています。

 

 

5. 入居者満足度を高める

 

長期的に安定した収入を得るためには、入居者の満足度を高めることが重要です。快適な住環境を提供するために、物件のメンテナンスを怠らず、迅速な対応を心がけましょう。また、入居者とのコミュニケーションを大切にし、信頼関係を築くことで、長期間の入居を促すことができます。自戒を込めて言うと大家業も客商売であるという自覚が必要です。

 

 

6. 賃貸経営の知識を常にアップデートする

 

不動産市場は常に変動しています。最新の市場動向や法律改正、税制の変化に対応するためには、常に情報を収集し、知識をアップデートすることが必要です。セミナーや講習会に参加したり、専門書籍やウェブサイトを活用して、賃貸経営の知識を深めましょう。

 

 

7. リスク管理を徹底する

 

賃貸経営にはリスクが伴います。空室リスク、家賃滞納リスク、災害リスクなど、さまざまなリスクを考慮し、適切な対策を講じることが重要です。例えば、空室対策としては、適切な家賃設定や定期的なリフォーム、効果的な広告活動が考えられます。家賃滞納リスクに対しては、入居者審査を厳格に行うことや、家賃保証会社の利用を検討しましょう。私の場合、家賃保証会社加入は必須としています。保証会社の審査に通らない入居希望者の方はお断りしています。

 

 

8. 金融機関との関係構築

 

賃貸経営を成功させるためには、金融機関との良好な関係構築が不可欠です。以下のポイントを参考に、金融機関との付き合い方を学びましょう。

 

定期的なコミュニケーション:金融機関とは定期的にコミュニケーションを取り、自分の経営状況や今後の計画を共有することが重要です。これにより、信頼関係を築き、必要なときに迅速な融資を受けやすくなります。確定申告が済んだら金融機関から言われる前に自分から申告書を持って行くくらい自発的に動いてください。

 

透明性の確保:金融機関に対しては、経営状況を透明に報告することが求められます。正確な財務報告書を提出し、問題が発生した場合には迅速に報告しましょう。信頼性の高い経営者として認識されることで、金融機関からのサポートを得やすくなります。

 

良好な信用履歴の維持:金融機関との取引では、返済能力が重要視されます。融資を受けた場合は、期限通りの返済を心がけ、良好な信用履歴を維持することは言うまでもありません。信用履歴が良好であれば、将来的な融資申請もスムーズに進むでしょう。

 

複数の金融機関との関係構築:一つの金融機関に依存するのではなく、複数の金融機関と関係を築くことをおすすめします。これにより、融資条件の比較ができ、有利な条件で融資を受けることが可能になります。また、金融機関ごとに得意とする分野が異なるため、状況に応じて最適な金融機関を選ぶことができます。

 

 

まとめ

 

大家業で起業し、賃貸経営で成功するためには、事前準備、資金計画、物件選び、賃貸管理、入居者満足度の向上、知識のアップデート、リスク管理、そして金融機関との良好な関係構築が重要です。これらのコツを実践することで、安定した収入を得る賃貸経営を実現し、成功する大家業への道を歩むことができるでしょう。

 

私自身これらのことが完璧にできているかと問われれば答えはノーです。しかし、経営に100%はありませんので、昨日よりは今日がいい状態を目指して日々精進しています。