国や会社の将来に期待できない世の中ですから、みずから稼ぐために起業しようとする人が増えてきました。

このこと自体はいいことだと思います。

一生会社にぶら下がって、サラリーマンとして給料をもらいながら生きていくことが難しくなってきているということですね。そんな他人に依存した生き方では、これから生き残っていくのは至難の業でしょうから。

脱サラして本格的に起業を目指す人もいれば、本業を続けたままネットビジネスネットワークビジネス等で起業しようとする人もいます。

しかし、ここでほとんどの人がやろうとする行為がちょっとズレているような気がします。

ほとんどの人は、起業開業関係や、会社設立、税金関係の本を買ってきて勉強しようとするのです。中には起業するために新たに資格を取ろうとする人さえいます。

日本人はまじめで勉強好きですから、実際にやる前に色々と勉強したいという気持ちが強いのでしょう。

しかし、いくらそのような勉強をしても時間の無駄です。特に、資格なんか取っても何の役にも立ちません。

起業するということは、自分が事業主として商売をすることですよね。

商売において最も大事な行為は何でしょうか?

それは“売ること”そして“利益をだすこと”です。

商品やサービスが売れないことには商売は成り立ちません。

「どうやって売るのか」
「どうやって集客するのか」

ここが最も大事なところです。

商品が売れて利益が出ないことには、起業した意味がないし、いくら税務や経理の勉強をして知識を持っていても意味ないですよね。

むしろ、利益さえ出せれば経理や税務関係は人を雇えば済むことだし、個人事業主から法人に変えるにしても、専門家に頼めばいいだけなので、自分が手続きをすべて知っている必要はありません。

そして、最も無駄なことは起業するために資格を取ろうとすることです。

弁護士、公認会計士、税理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士…

世の中には多くの資格があります。

しかし、これらの士業の先生方も、商売をやっているわけです。専門家としての知識を売っているのです。ですので、売れないことにはいくら資格を持っていても意味はありません。

例えば弁護士の平均年収はいくらだとか、公認会計士の収入はどうだとか言ってもほとんど意味はありません。年収数千万円の売れている弁護士もいれば、年収100万円しかなくてバイトで食いつないでいる、売れていない弁護士もいるのです。

公認会計士でも、税理士でも、年収数千万円の人もれば、100万円未満の人もゼロの人もいます。

資格さえ取れば、クライアントが勝手に来てくれて安定収入になるなんていう幻想は捨ててください。

起業して自分の力で稼いでいくには、第一に“売る力をつけること”です。ここを真っ先に考えてください。

その他のことは、後からでもどうにでもなりますから。