昨日は連休最後の日だったので子供たちを連れて動物園に行ってきました。

マレーシア国立動物園(Zoo Negara)は子供たちお気に入りの動物園で今まで何度も行ったことがありますが、今回は先月マレーシアにやって来たパンダを見るためです。

クアラルンプール市内から東へ約13kmの位置にありますが、私たちの住むクランからは1時間ほどかかります^^;

お目当てのパンダは無事見ることができましたが、パンダ舎はかなりの混雑で疲れました^^;

ちなみに、マレーシア国立動物園(Zoo Negara)の入園料はRM30、パンダ舎は別料金でRM20、合計RM50です。しかも、外国人はRM10増しでRM60!(私はいつもローカルを装って入っています^^)

東京の上野動物園は入園料が600円でパンダを見るために別料金を取られることはありません。

平均所得や物価を考えるとマレーシアでは動物園は贅沢なレジャーかもしれません。

長蛇の列の中待つこと約40分、やっとパンダ舎に入れたと思ったらここでなぜかビデオを見せられ、パンダを見る上でのちょっとした注意事項…

「もったいつけんと早う見せんかい!(怒)」

と思い始めた頃にようやく扉が開き、狭い階段を下ってパンダにご対面しに行きました。

「これだけ混雑が当然予想されだろうにこの階段の狭さは何!?」

苦労して辿り着いたパンダではありましたが子供たちは大喜びだったので「まあいいか」という感じです。

しかし、今回はマレーシア人の商売のやり方をまざまざと見せつけられた一日でした。

色々と趣向を凝らして演出し、高い入園料を取って少しでも早く元を取ろうとするその手法は日本人のやり方とは根本的に異なります。

マレーシア国立動物園(Zoo Negara)のパンダも、上野動物園と同じく中国からのレンタルです。

パンダのレンタルには、年間約1億円と言われる高額のレンタル料を支払う必要がありまます。

パンダは中国・四川省だけに生息していると言われる珍獣なので、中国は過去にパンダを政治的に利用する「パンダ外交」を展開してきました。パンダ外交とは、パンダを各国に贈呈することによって、他国との友好を深めようとする中国の外交手法のことです。

ところが、近年パンダが絶滅危惧種として認定されてから政策はパンダビジネスという金儲け路線へと転換されました。絶滅の危機にある種は、ワシントン条約によって他国への無償提供ができなくなってしまったからです。

当然マレーシアも高額なレンタル料を支払う必要があるはずです。

この高額なレンタル料や維持費を少しでも早く回収したいという意図が、このような演出や高額な入園料に反映されているのでしょう。

対して日本の場合はどうでしょうか。

入園料はマレーシアよりもはるかに安いし、パンダだけ別料金ということもありません。

パンダのレンタル料や維持費をどうやって回収するのか疑問に思うんですが、短期的な損得よりも、パンダがいることによるブランド力や顧客満足度をより重視しているような気がします。

マレーシア人の感覚だと日本人は商売が下手だと思われるかもしれませんが、本当に日本人が商売下手なら、かつての高度経済成長はなかっただろうし、現在の世界第3位の経済大国の地位もなかったでしょう。

パンダに限らず、このような例はマレーシアに住んでいるといたるところで目にします。

例えば、ショッピングモール等の駐車場に車を止めるとき、駐車料金をカードで払えるシステムがあるんですが、このシステムを使うと料金が若干高くなります。

日本人の感覚だと、カードを使えば料金支払い機のメンテナンスや、料金支払い所の人件費を削減できるわけですから当然料金は安くなると思うんですがマレーシア人はそうは考えません。

「顧客はわざわざ財布を開けて現金を払わなくていいんだから利便性は向上する。だから、より高い料金を取れる。」

と考えるわけです。

新しいレストランが出店した場合も、最初は周辺の店よりも若干安く価格を設定します。

そして、店が軌道に乗って固定客が付き始め、商売が繁盛してくると値上げします。

これも日本とは真逆ですよね。

日本で商売するんだったら客数が増えて繁盛し始めたらむしろ値下げして顧客に還元するのが普通だと思います。

日本ほど競争が激しくないという理由もあるのかもしれないが、顧客目線、長期的展望でビジネスを展開するというのはある意味日本独特のものかもしれません。