マレーシア不動産に投資しようと考えている日本人投資家は多いですが、日本とはかなり勝手が違いますので最初は随分と戸惑うようですね。


私が最初にマレーシア不動産に投資する際に調べたのは、日本では金持ち大家さんになるためには必須の1棟物の物件があるかどうかということでした。


結論としては居住用ではほぼ皆無、商業用不動産ならないことはない、という感じです。


まず、居住用不動産ですが、日本のように1棟物のアパートやコンドミニアムに投資している投資家は見たことありません。


ちなみに、コンドミニアムとは日本でいうところのマンションと説明されることが多いようですが、こちらの定義ではプール、テニスコート、ジム等の設備があり、24時間常駐の警備員がいる集合住宅をコンドミニアムというそうですので、日本のマンションよりはかなりデラックスです。


私の感覚では日本のマンションは、こちらでいうところのアパートメントに近いのではないかと思います。


マレーシアもここ数年の不動産ブームで、日本のように金持ち大家さんが続々と登場し、出版したりセミナーを開いたりしています。


ただ彼らも区分所有のコンドミニアムやアパートメント、もしくは土地付き住宅を数百戸単位で所有している人がほとんどで、1棟物を個人で所有している人は皆無です。


商業用不動産にしても、1棟物の売り物件はそれほど多くはありません。


それに利回りも売主の言い値ベースで3%~8%程度ですので、指値をしたとしても日本のように12%以上とかは難しいと思います。仮に15%の指値が通ったとしても、借入れ金利が高いので手元に残るキャッシュは当然日本の不動産よりも少なくなります。


ですので、マレーシア不動産に投資する際には日本とはまったく違った戦略が必要です。


マレーシアの今の状況は、日本の1960年代~1970年代の高度成長期に入る段階に酷似しています。


政府が2020年の先進国入りを目指して、数々のプロジェクトを立ち上げてかなり強引に推し進めようとしています。


数年前に比べれば、不動産価格は確かに高くなりましたが、それでもその他の東南アジア諸国に比べればまだまだ割安です。


割安といっても物件価格ではなく平米単価です。


マレーシアの物件は広いものが多いので物件価格だけで比較すると高く感じてしまいます。例えば、単純にマレーシアとフィリピンのコンドミニアムの価格を比べると、マレーシアの方がやや高く感じるかもしれません。


しかし、フィリピンの標準的なコンドミニアムは大体50平米前後のものが多いのに対して、マレーシアの標準的な物件は100平米程度のものがほとんどです。マレーシアでは50平米以下といった小さな物件は非常に供給が少ないのです。


日本の高度成長期にいい立地に不動産を買った人はほとんど億万長者になりました。


今マレーシアに不動産を買うということは、マレーシアという国の成長を買うということですので、日本の高度成長期のように2匹目のドジョウが狙えるかもしれませんね。


もうひとつマレーシアに不動産を持つ重要な意味は、日本のソブリンリスクのヘッジです。


ソブリンリスクとは国家に対する信用リスクのことです。


つまり、日本の財政が破綻するとか、ハイパーインフレーションになって生活が困窮するとかいったリスクを避けるために、日本以外の国に資産を持っておくことが有効だということです。


日本の不動産とマレーシアの不動産、うまく使い分けられれば最強のポートフォリオが組めると思いますよ^^