先日読者の方から「どうしてマレーシア不動産について書かないの?」という質問をいただきました。






私はマレーシア不動産投資のコンサルもやってますので、私を知っている人からすると当然の疑問だと思います。






別に意識してマレーシア不動産の話題を避けてきたわけでは決してありませんが、このブログのテーマは”ファイナンシャルフリー”ですのでマレーシア不動産の優先順位はどうしても後の方になってしまうのです。






どういうことかといいますと、…




ファイナンシャルフリーになるために最も大事なことは、キャッシュフローとレバレッジであるということは、今まで何度となくご説明しました。






参考)キャッシュフローとレバレッジ






しかし、マレーシア不動産は日本の不動産に比べると、大きなキャピタルゲインを得られる可能性は大きいですが、どうしてもキャッシュフロー、レバレッジともに見劣りがするのです。






まず、キャッシュフローで言いますと、私が現在投資している中古物件でさえ、返済比率50%~70%程度です。






普通の日本に住む日本人投資家が日本人のブローカーを通して購入した場合なら、90%以上とかマイナスのキャッシュフローになってしまうことも普通にあります。






この理由は、まずマレーシアでは借入金利が高いこと(4.2%前後)、とここ数年不動産価格が急激に上昇しているため物件価格の上昇に賃料の上昇が追い付いていないということが挙げられます。






私の物件でも、賃料はほぼ更新ごと、入退去ごとに値上げしていっているのですが、それでも追い付きません。






日本の不動産投資の世界では、投資するのなら返済比率40%程度以下に抑えるのが常識ですが、マレーシアでは日本の常識は通用しません。






よほど自己資金を突っ込めば可能かもしれませんが、そうするともう一つの鉄則であるレバレッジがかけられなくなります。






特にここ最近は銀行審査が厳しくなり、外国人がマレーシア不動産に投資する場合は最低でも30%程度の自己資金が必要です。






これだとキャッシュフローとレバレッジを重視する投資家から見ると全然魅力がありませんよね。






あと、日本の不動産投資で重視されている積算評価という概念がこちらにはありませんので、投資する際には日本とは違った尺度が必要です。






私の場合は銀行評価額(銀行が融資する際に使う物件の評価価格)をひとつの尺度にしていますが、これも日本の積算評価のようにガッチリと計算式が決まっているわけではないようで、銀行によって、あるいは評価する担当者によって価格は違ってきます。






ですので、キャピタルゲインを狙って投資する、あるいは日本のソブリンリスクをヘッジする目的で購入するのならともかく、キャッシュフローを求めるのならマレーシア不動産はあまりいい投資だとは言えないのです。






もし、現在あなたにまとまった資産がない場合は、ビジネスや日本の不動産で安定したキャッシュフローを作ることを優先するべきだと思置います。






逆にまとまった資産がある、日本のビジネスや不動産から安定したキャッシュフローがあるという方でしたら、マレーシア不動産にガンガン投資して大きなキャピタルゲインを狙うのもいいかもしれません。




日本の不動産に投資するにしても、マレーシア不動産に投資するにしても、投資先は現在のあなたのステージ、目的を考慮した上で慎重に判断してくださいね。