先日発売されたBEST STAGE 12月号には何とこれまで不明だったミュージカル『LUPIN』のあらすじが記載!

ようやくフライヤーや公式サイトにある概要以上の情報を得られた訳ですか、中々に衝撃的な内容でした。


原作『カリオストロ伯爵夫人』はアルセーヌ・ルパンが青年だった時代、ラウール・ダンドレジーと名乗っていた頃の物語です。

薄々メインビジュアルが発表になった頃から違和があったのですが、ワンチャン二役みたいな感じになっていて過去と現在が入り乱れる構成なの?だからラウールという幼名は隠されているとか?なんて思っていました。


ここにきてミュージカルのあらすじを読んでみると、これが冒頭から皆様ご存知アルセーヌ・ルパン!と現れそうなんですよ。

何なら終始ルパンで通しそう、つまりラウールが出てくる可能性は低い!

…まぁ題名が『LUPIN』ですものね。


ただもうこの時点で、あの物語をどうアレンジしてんだよ?!と全く読めない状況。

だって主人公の名前と年齢が原作と違うって大きくないですか?

一体いつから髭をたくわえ、モノクルを着用しているのかは知りませんが、あのメインビジュアル通りの皆が思い描くルパンとして存在しているということは当然年齢も上げているんだと捉えています。

同一人物ではありますが、原作のラウールはああいう姿での描写はないんです。


そうなると、ヒロインのクラリスとの年齢差が開いてしまうのが気になります。

いや、クラリスの年齢もルパンに合わせて上げているか?

将来的に結婚する2人という設定が変わらないのであれば、未婚のクラリスの年齢ってどう頑張っても二十歳が限界じゃないでしょうか。

それでも時代的に男爵の娘としてはギリギリアウトな気がします、何よりメインビジュアルのキュルンとした真彩希帆さんは少女にしか見えないんですよね。

やっぱり10代なのでしょうか、そうなると年の差がヤバくない?


あと少しだけとはいえジョジーヌ(カリオストロ伯爵夫人)の年齢も上がっちゃうんですよね。

アルセーヌ・ルパンシリーズもシャーロック・ホームズシリーズのように西暦何年に彼が幾つで何をしていたと有識者達が年表化していることを考えると、ルパンの年齢が高くなった分だけ描かれる時代も変化していると思われますから。

まぁ設定的にはフランス革命辺りから生きてることになっているので問題はないかもしれません。

ちなみにお父さんはキキちゃん(芹香斗亜さん)が『PAGAD』で演じるジョゼフ・バルサモなんですよ、えぇそういう設定の謎多き美女です。


ルパン、ジョジーヌ、ボーマニャン一派がそれぞれ同じ財宝を求め、互いを出し抜こうと戦うという物語の主軸は変わらないようです。

あらすじでも財宝には触れています。


さらにフライヤー等のキャッチコピーにもあるように夜会がキーポイントのようで、そこで主だったキャラクター達が勢揃いするのかな?という印象。

ボーマニャンも初っ端から生きて夜会へ参加するようですし、どうやら原作の序章は省かれる事になりそうです。

お蔭で可哀想なジョジーヌを見ずにすむのはありがたいですね。

ただ、その悲劇的な状況から彼女を救い出し、さらに惚れてしまうのが若きルパンだったので果たしてミュージカルでは2人はどんな関係になるんだろうというのは気になります。


ラウールがジョジーヌを口説き落とそうと奮闘する場面、見たかったんですけどね。

物凄くカリオストロ伯爵夫人を褒め称えてくれますから。


それにしても気になるのはボーマニャン、そのあらすじにクラリスにしつこく言い寄るって書いてるのは何事なんですか?!

…ボ、ボーマニャンは、ボーマニャンはそんなことしない!

原作ではカリオストロ伯爵夫人に惹かれているようだったのに、彼女との過去の関わりなども舞台ではどうなるのかが謎すぎる。


そもそも原作だとジョゼフィーヌ・バルサモ(カリオストロ伯爵夫人)に皆が夢中って感じなんですよ。

序盤でこそクラリスに熱心なラウール、ジョジーヌに出会ったらあっさり乗り換えてましたものね。(言い方!)

まぁ、それ程に魅力が溢れる美しい人なんだそうです。


めっちゃ考えたんですよ、ボーマニャンがクラリスに言い寄らなければならない理由。

実は財宝の秘密を解く鍵でもあるクラリスだからか?とも思ったのですが、そもそも彼女の父ゴドフロワ・デティグ男爵はボーマニャン一派。

…だったら首領のボーマニャンが命令すれば、部下の娘なんてどうとでも出来るでしょうに。

何故なんだ、ボーマニャン。


正直カリオストロ伯爵夫人贔屓としては、アルセーヌ・ルパンにボーマニャンも対峙する敵なので両人共にいけ好かない野郎なんです。

はっきり言って原作読んでいる時に主人公に全く肩入れできないのはキツかった、ずっとイライラしながら読んでたくらいジョジーヌへ反撃、反抗してくるのが腹立つんですよ。

でもボーマニャンにはまさかの最期を迎えるというクライマックスがありまして、それがあまりに現実ではあり得ない幕切れっぷりに悪としての吟侍を感じてメチャメチャ格好良いな!となったんですね。

だからクラリスに言い寄るボーマニャンって想像つかない!!


『芳雄のミュー』でも黒羽麻璃央さんが凄く怖かったとちえさん(柚希礼音さん)とまかさんが語られてましたが、その恐ろしいボーマニャンがナンパ?と気になって仕方がありません。


ただ薄々舞台でボーマニャンの最期はやらなさそうとも思っています。

そこに至る経緯と終末に割く時間がなさそうなので、財宝の謎に関しては色々と変えてきそうなんですよ。

でもなぁ、それあっての結婚という流れがドラマティックに感じたんですよね。


ちなみにあらすじによるとクラリスがルパンに恋するのは確定です。

ただ、どちらかというと原作だとラウールがクラリスに岡惚れしていた印象。

ミュージカルでは主人公の恋もどう展開するのか全く読めません。


もう1つ驚いたのはミュージカルの結末。

https://classy-online.jp/lifestyle/298307/ 


こちらCLASSYの記事にてちえさんが「最後は小池先生渾身の長台詞があって、大どんでん返しになるんです」と仰っていました。

なるほど『カリオストロ伯爵夫人』しか読んでいないのでアルセーヌ・ルパンがどういう人物かは知りませんが、ラストに(そんな!)と驚かせる展開が待ち受けているだなんて劇的!って捉えたんです、この発言。

怪盗紳士だなんて謎めいた存在だし、そんな理由があって盗みを?!と書くと軽いけど、小池修一郎的アルセーヌ・ルパンはこう!となる幕切れなんだと想像しちゃってました。


ところがSTAGEnaviにてソロインタビューに応えるまかさんによると、最後に意外な顛末を迎えるのはカリオストロ伯爵夫人だと言うのです!

ど、どんな幕切れになるんだろうミュージカル『LUPIN』。


実は原作『カリオストロ伯爵夫人』には続編があるので、そちらまで拾うのか?ともなりましたが、小池修一郎が作る意外な顛末なんてものが原作遵守なわけがありません!


だって、あの『カジノ・ロワイヤル』を作、演出した小池修一郎ですもの。

原作を読んで本当にこれをやるの?!と心配しかなかったのを見事に別物へ、何ならコメディへと昇華した手腕の持ち主。

きっと『LUPIN』を観るときも同じくらいの覚悟が必要なんだと思います。

そもそもジョジーヌも男装なんてしませんものね。


高校生探偵イジドール・ボートルレに、ルパンを追うガニマール警部はいずれもアルセーヌ・ルパンシリーズのキャラクターではありますが『カリオストロ伯爵夫人』には登場しません。

それどころかシャーロック・ホームズはアーサー・コナン・ドイル作のキャラクターで、アルセーヌ・ルパンシリーズに登場するのはエルロック・ショルメというパロディキャラなのをわざわざホームズと出しているのも気になる要素です。

…どうまとめて1つの作品にしているの?

明かされたあらすじを踏まえても、そもそも出てこないキャラクター達なのでどう関わるのか全く分かりません。

まぁ高校生探偵は別の作品でルパンと対峙するようですし、警部は怪盗を追って当然の存在ではあります。

でも諮問探偵であるホームズがパリまで出張ってる理由は何なの…。

ここ、ホームズ好きとしてはめっちゃ気になってます!

あとワトスンは出てきますか、ニコイチだとありがたいです。


あれこれと原作『カリオストロ伯爵夫人』をネタバレしつつ書いていますが、実際に舞台を見る際には何ら問題はないと判断しています。

何故かって結局舞台じゃ諸々はやらないと思っているから。

なんたって『カジノ・ロワイヤル』も原作を読んで観劇へ挑みましたが、役立ったことといえばバカラがどういうゲームかぐらいで後は全部違うくらいの勢いでしたからね。

そう、それが小池修一郎。


宝塚を観たことなく、ミュージカルを演出している彼しか知らない人が『LUPIN』を観たらビックリするんじゃないかとは発表時からずっと心配しています。

何だかんだ言って宝塚ファンは慣れてますから。

と言いつつ花組公演に少しだけ不安も無きにしもあらずなんですが、小池作品お馴染みの変な博士とか出てきたらどうしよう…。


さて初日までいよいよ1週間を切りました。

出演者さん達のSNSによると、いよいよ帝劇で舞台稽古をするみたい。

私はまかさん出演回しか観ないので、my初日までミュージカル『LUPIN』のネタバレは回避して驚く準備をしておきたいです。

それぐらいの気力で挑みますよ!


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