本日はこちら。


https://www.tca-pictures.net/skystage/Prgm/Detail/11911.html 


スカイステージでは珍しいお芝居をする番組、『名作ことばの泉~第二章~』。

今月は宙組生が登場、風色日向さん(ひなこちゃん)、真白悠希さん(ぴーちゃん)、そして娘役は愛未サラさん(ジャスミン)。

取り上げる作品は日本物、宙組では珍しいんですよね。

何しろ約25年の歴史で『美しき生涯』と『El Japón-イスパニアのサムライ-』くらいしか宝塚大劇場では公演してませんから。


で、肝心の演目は『小さな花がひらいた』。

実は柴田侑宏先生の大ファンなんですけど、どちらかと言えば苦手演目だったりします。


宝塚歌劇団って同じ世代の役者が大勢所属している珍しい劇団。

しかも受験して入るという条件の為に客演も難しい。

歌舞伎だって子役は子供がやるのに、それは無理。

役に合わせて、その世代の俳優を選ぶということがなくて、俳優が役に合わせて年を重ねたり若くなったりする。

そこが面白いところでもあるんですけど、どうにも子役が苦手なんですよ。

元気なお年寄りは見ていて楽しいのになぁ。


『小さな花がひらいた』って物語の展開的にメッチャ子役が出てくるのが、どうにも辛い。

生で観劇はしたことがないし、スカステでもながら見って感じできちんと見たことがない作品だったりします。


どんなかなぁとハラハラしながら今回見たのですが、結果として良かった!

特に大人だけの場面にはメチャメチャ柴田侑宏イズムを感じました。

初演は大劇場公演ということで、大勢口は子役で人数を稼いでたのかな?という雰囲気。

歌や踊りは子供たちとの関わりの中であったんでしょうね、確か遠足と運動会?みたいなレクレーションの場面が有名だったはず。

なるほど、それで舞台化したかったのか〜と納得させてくれたお三方、ありがとう!


まぁ、何しろ役者が3人しかいないから子役がぞろぞろ出ようがないのよ。

でもあっちにいるんだと感じさせる芝居さえあれば登場しなくとも不自然じゃないし、展開的に重要な役だけ現れるほうがすっきりして見やすかった。

あと発声が皆無理やり甲高い声を出したりしなくて自然なのも良かったな。

着物も変に子供っぽくはしてなかったし。

小道具でそれらしく見せる演出だった為、でんでん太鼓を持つひなこちゃんが非常に可愛らしかったです。


さて、ひなこちゃん(風色さん)は主役の茂次がメイン。

いかにも江戸っ子で言葉数が少なく、俺の背中について来いタイプ。

仕事に真面目でどっしり黙々とこなす姿に仲間の信頼も熱い。

そんなドンとしたカリスマを感じさせる役、とても似合っていた!

「ドンとした」ってさ、体型じゃないのよ。

何と言ったらいいのか、芯?

芯がしっかりしてるというか、立ち方が良いとかそんなのをメッチャ感じた!

これは益々将来が楽しみ。

ちょっとべらんめえ口調に苦労しているように見えたけど、それ以外は危なげなく。

見ていて嬉しくなるくらい主演としてお芝居を引っ張っていて頼もしかったです。


2番手役くろを演じるぴーちゃん、やはりそれだけではなかった!

中でも目を引いたのは大工だけの場面。

茂次を「若」と呼ぶ先代からいたであろうベテランと、若と同世代の2人を同時に演じるって何事。

映像じゃそうなってるけど、実際にはそれぞれ撮影していて合成してるんですよね。

だのに台詞のやり取りが自然!

現場でどのような工夫がなされているのかは分からないけど、上手かった〜。

御本人もトークコーナーで言ってましたが、ラストに茂次の投げた風呂敷包みを受け取った笑顔がメッチャ良かったです。


そしておりつ、おゆうの両ヒロインを演じたジャスミン!

私は彼女がこういう正統派を演じるのが見たかったのよ。

声も良かった、いかにも可憐じゃありませんこと。

こういう声、コーラスでは聞けるのだけど役柄的にはドスを効かせてることが何故か多かったからね。

いやぁ、こういうの舞台でも見たいわ。

…新人公演でヒロインありませんか?なんて期待しちゃう。

実は放送前はおゆうはぴーちゃんかもしれないと思っていたのだけど、演じ分けも良かったですね。

ご自身で語られていたように幅の広い役を演じられてましたが、おゆうの母も良かったです。

決して悪い人ではないのよ、だって五百両ですもの。

それも大事なとはいえ看板1枚で貸し出すだなんてさ、そりゃあねぇ娘の恋心の後押しに茂次なんて良い青年なら家族に迎えたいと思うのが普通。

その人の親として大っぴらでなく望みを伝えた、ある種気っ風の良さを十分に感じました。


日本物がいいなぁとなるのは年齢や職業、立場などで髪型や着るものが決まっていること。

だから3人も着物をさらりと着こなすだけでなく、羽織1枚で違う役を演じてるんだと分かりやすかった。

着慣れてないんじゃないかな?という心配は不要でしたね。


何より和装のひなこちゃんはイスサム新公の治道を思い出してときめきました。


ちょっと宙組の和物、見たくなっちゃったんだけど来年には『宝塚110年の恋のうた』が控えてるだなんて嬉しいこと。

それもイスサムと『白鷺の城』と宙組では和物で縁のある大野拓史作、これは期待ですね!


あと次回大劇場公演での3人も楽しみです。


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