シアター・ドラマシティで観劇して以来、割合『大逆転裁判』のことを考えて日常を過ごしてます。
それ程に楽しい舞台の幕が改めて関東で滞りなく開いたのが嬉しい。
どうぞラストまで1日も欠けませんように!
そしてもえちゃん(瑠風輝さん)主演作初東上おめでとう!!
有識者さまの導きにより『大逆転裁判』を一応プレイして劇場へ向かった私。
やっぱり原作知ってた方が更に面白いぞ!というのはオススメしておきたい。
いや知らなくとも楽しいと思うんだけど、知っていれば尚更でした。
深みが増します。
何しろ客席へ入って『大逆転裁判』とドーンとタイトルが飾られた緞帳を見ただけでも、ぶち上がったもの。
…あれ、最初の画面やん。
しかもその後同じシチュエーションで流れるBGが鳴り始めて泣きそうになるくらいだったし、本当にゲームやって良かった!
だからやってない人は今からでもプレイして欲しいし、舞台観てからでも楽しいはず!!
ただ残念ながら私がクリアしたのは『大逆転裁判1〜成歩堂龍ノ介の冒険』のみ。
目下『大逆転裁判2〜成歩堂龍ノ介の覺悟〜』の2話プレイ中で、信じられないことに留学生夏目漱石くんったらまたもや被告である。
私が頑張らないと無罪にならない、大変なゲームだよ『大逆転裁判』。
ここからはネタバレしつつ全体的な感想のようなものを。
まず公演の成功の鍵はシャーロック・ホームズの存在だったんじゃないかな?と思ってます。
というのも宙組では2年前に『シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot!-』という作品を宝塚大劇場でやってるんですもの。
えぇ、~サー・アーサー・コナン・ドイルの著したキャラクターに拠る~というサブタイトルが付いた、シャーロック・ホームズが主役の舞台でした。
少々彼が奇行に走っても慣れてるから大丈夫!
さらに登場するホームズの部屋が再現度高い!というのはゲームをしていなくとも、当時を知っていれば気づけるというのは大きいと思うんです。
壁には「VR」のイニシャル、これみよがしにでなくキチンと穴が開いてた訳ですが大劇場では何と照明で光るようになっていたんですよ。
なんたって客席に約2千7百人入る規模なんで、インパクトある演出で輝いていました。
観ていれば絶対に覚えているはず。
しかもそのイニシャルが今回のキーポイントとはねぇ、鈴木圭やりよる。
マントルピースに飾られた写真にヴァイオリン、どのアイテムも宙組ファンであればそうだった!となるのが楽しい。
さらにゲームのファン方も納得のセットでしたよね。
もしかしたらシャーロキアンの方も?!
今回の物語は原作のゲームを踏まえてのオリジナルストーリーだった訳ですが、その為に作られたキャラも皆良かったですね。
で、ここにヴィクトリア女王が入る上手さ!
実はヴィクトリア女王、上記『The Game Is Afoot!』にも出てきた馴染みのキャラクターなんです。
私がゲームを始めた時は配役が全て出ていたタイミングだったので、逆にいつゲームにヴィクトリア女王が出てくるんだろう?って思ってたんですよ。
そうしたら裁判官が「女王陛下の名の下に…」でしたっけ、その台詞くらいでしか現れないからビックリ。
でも実際ところヴィクトリア朝を描いている作品なのだから女王が出てきたっておかしくないんですよね。
あと『The Game Is Afoot!』で兄のマイクロフトに「シャーロック・ホームズを呼びなさい」と命令するくらいの強火シャーロック・ホームズ担だった陛下。
それを思えば『大逆転裁判』の陛下も裁判中アノシャーロック・ホームズさんに大喜びなのは、宙組ファン的にはアリでした。
当然ヴィクトリア女王をどう出すのかという工夫がいるわけですが、まず仮面舞踏会に主人公が招かれるという展開が面白すぎました。
ああいうドレスを着た淑女が紳士と踊るもいうシチュエーション、いかにも宝塚だけど意外にお芝居では少ないような気がする。
だのに宙組ったらコラボでやりがちで、何故か前回の仮面舞踏会は『HiGH & LOW-THE PREQUEL-』でした。
初めて宝塚歌劇を体験する人にはグッとくるシチュエーションなのかもしれない、華やかなのは確かですもの。
ここでも脚本の上手さが光ってますよね。
誰でもおいそれと入れない宮殿だからこそ起きる事件、招かれた者しかいないはずだからこその真犯人探しという展開がゲームしてなくとも掴みやすかったんじゃないかな。
さらに主人公成歩堂龍ノ介さんが現場を調査している時に女王の席の見晴らしの良さに触れるのですが、そのさり気ない台詞から陛下自ら裁判に現れるだなんて思いもよらなかっただけにビックリしました。
そして同時に嬉しくもありました。
だってさ、宮殿以外の場面に陛下が出るだなんて普通に考えたら無理だもの。
演じているおさよ(小春乃さよさん)が好きなだけに、2幕で声高らかに「待った!」と出てくるのも嬉しかった。
良かった、出番があった。
というか陛下がその台詞を言うんですね!
マジでこれ最初の舞踏会だけで、あとはバイト?(宝塚では本役以外で出てくることをこう言います)と心配していましたから。
本当にあの登場は目立っていたし嬉しかったです。
バイトといえば、亜双義一真役のひなこちゃん(風色日向さん)が舞踏会にてメッチャ格好良い仮面を着けた紳士で踊っているのには是非注目して欲しい。
ここ、亜双義さんとガラッと雰囲気が変わって金髪のカツラも素敵なんです。
ちなみに緑色の衣装で私の大好きな水音志保さん(ローラと霊媒師をしてました)と組んでます。
まぁ、その前の場面でアノシャーロック・ホームズさんが歌っている後方を通行する時は仮面を着けてないので、そちら方が見つけやすいかもです。
っていうか、仮面を着けてるのに格好良いって何事?!
閑話休題。
芝居の流れ的には1幕の裁判で信頼を勝ち得たのか、成歩堂龍ノ介さんがあっさり召喚状を陛下から入手してたのも良かったです。
気のいい女王さまなんだな。
そうでなきゃ専科の汝鳥伶さんの「ググッ」となるお姿なんて見られなかったかも。
あれは可愛かったですね。
とにかくこういった世間一般に有名なキャラクターの導きによって、ゲームをしていなくても物語に入りやすかったのでは?と思ってます。
そういえば夏目漱石さんもそういう意味ではゲームに関係なく有名人なのですが。
1幕が終わった後に未プレイの友が「夏目漱石はロンドンで死んでないもん、歴史が変わっちゃう!」とお怒りでした。
いや、そこ(笑)?!
私はゲームと彼の展開が違うことに驚いてたのですが、そういや実在の人物なんですよね。
(忘れてたよ、あまりにも大逆転裁判の世界でのインパクトがありすきで…)
だからといって、史実踏まえてないとツッコミ入れてるのはあんたくらいや!
つまり原作を知ってようと知らなくとも、亡くなったことで驚かされるキャラクターは彼しかいなかったんだなぁとなりました。
観客を驚かせるべくして選ばれし被害者!…可哀想に。
あと名台詞「異議あり!」と主題歌♪蘇る真実は最高ですね。
何年もかけて4度も宝塚で上演された逆転裁判シリーズ、これはもう『ベルサイユのばら』級とも言えるんじゃないでしょうか。
そりゃ上演回数では及ばないけど、109年間のシリーズ物公演数ランキングなら上位に食い込むと思うのよ。
だってきちんと見たことないけど、両方知ってましたもん。
宝塚ファンとして、あぁこれこれ!もなる楽しさ。
ゲームファンじゃなくとも『大逆転裁判2』を期待しちゃうくらいです。
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