
落日燃ゆ/城山三郎
前から読みたいと思っていた小説で
本に興味のない人でも
何となくは聞いたことがある有名な著書。
A級戦犯として絞首刑になった
七人のうち雄一の文官であった
広田弘毅、元首相・外相の話。
「自ら計らわぬ」を信条とし
与えられた自分の役割・使命を
粛々とこなしていく広田の姿に
心から感服します。
その事を鼻にかけることは一切なく
東京裁判では一切の言い訳をせず
その責任は自らにもある
という潔さと覚悟、そして志の高さは
文官というより武士そのものです。
自身のことより日本国のことを思い
理不尽な仕打ちや境遇にも
「自ら計らわぬ」として
そのすべてを受け入れる姿勢は
ボクの心に一生刻まれることと思います。
【本書より】
東京裁判で絞首刑を宣告された
七人のA級戦犯のうち、ただ一人の
文官であった元総理、外相広田弘毅。
戦争防止に努めながら
その努力に水をさし続けた軍人たちと共に
処刑されるという運命に直面させられた広田。
そしてそれを従容として受け入れ
一切の弁解をしなかった広田の生涯を
激動の昭和史と重ねながら
抑制した筆致で克明にたどる。
毎日出版文化賞・吉川英治文学賞受賞。
追伸…惜しい人をなくしたと思いますが
本人はいたって、自分の信条に
忠実に生きるのみ…
ということなのでしょうね。
その生き様は
めっちゃカッコイイんですが
本当にこれで良かったのか?
たとえ本人の信念だろうが
死なせてはいけない人を
死なせてしまったと思う
ちょっと複雑な気持ちです。
では皆さま、メリークリスマス♪
Koh