警視庁捜査一課継続捜査班に勤務する田川
が、発生から二年が経ち未解決となっている
強盗殺人事件の捜査を命じられる。
当時の捜査本部は犯人を「金目当ての不良
外国人」に絞り込んでいた…が、再度調べを
積み重ねる事で新たな容疑者をあぶり出す。
事件の背景には、大手ショッピングセンター
が絡んでいた。
それとは別に、個人的な思いで殺人事件と
は全く関係なく大手SC(ショッピングセンター
)の裏の顔を暴こうとする女記者。
現代の日本そのままを描いているようでフィ
クションとは思えない内容。
この小説は読み応えがありオモシロかった。
大手SC(内容からしてイオンがモデル)の
地方進出に伴う戦略、地元商店街の苦悩、
精肉を中心とした加工食品の安全性などが
大きく絡んだ事件。
企業の隠ぺい体質を逆手に、それをネタに
虫蝕む奴ら、大企業を支えている男たちの
苦悩や、キャリアなど縦社会の警察内部、
日本全体の経済を考えた上での政治的判
断、安さだけに飛びつく消費者…など、現
実味が溢れており、なかなか楽しめた&考
えさせられる作品です。
Koh
