2024年シーズンを88勝73敗でアメリカンリーグ西地区を首位で終え、ワイルドカードゲームに進んだアストロズでしたが、タイガース相手に2連敗しシーズンを終えていました。ここ数年のアストロズからすると物足りないシーズンであったかもしれませんが、春先の不振を考えるとよくここまで持ってきたと感じるシーズンでした。

 

1つ前のブログで書いた、シルバースラッガ―賞の予想の中で、ア・リーグ三塁手の中でファイナリスとなっていたAlex Bregmanの成績の中で例年に比べ四球率(BB%)が半分くらいになっており、気になったので自分なりに考察してみました。ちなみに、2024年シーズンのブレグマンのBB%は6.9%でMLB平均の8.4%も下回ってました。キャリア平均のBB%は11.9%

で、キャリアハイの2019年にはBB%17.9%を記録していた。

 

☆考察1:ストレートに対する成績が悪くなった

 

2024年シーズンのストレートに対するRun Value(得点期待値、このケースだとブレぐまんが打った際にどれくらい得点に貢献できているかを示した数値)は、‐2でした。過去2年は、+11であり、キャリアハイであった2019年は+21を出していた。早いストレートに対応できなくなり、数字が悪化しているのではないかと思い例年と比較してみましたが、そこまで関係ないと感じました。三振率やハードヒット率もあまり悪くなっていないため、薄っぺらな考察になってしまいますが、ストレートに対するミスショットが多かったのではないかと思われます。

 

☆考察2:早打ちの割合が高くなった

 

2024年のブレグマンですが、初球のスイング%が例年に比べて上がっていました。昨年からだと、22.8%→28.4%に上昇しています(通算での平均が24.5%、MLB平均29.9%)。全体のスイング%も上昇しており、積極的にスイングしていっていることは間違いないと思います。

 

スイング%の中身を見てみようと思います。Chase%(見逃せばボールになっていたボールをスイングした割合)が上昇していますが、Whiff%(全スイング中でどれくらい空振りをしたかを示す割合)は低下しています。スイングしにいったボールに対しては、コンタクトできているが、ボール球に手を出してしまっている割合が増えてしまっていた2024年シーズンだったと思います。

 

またアストロズの他の選手を調べてみると、全体的に初球のスイング%が上がっていたので、もしかしたら何かしたチームから積極的に打ちに行くような指示が出ていた可能性も考えられるのではないかとも思いました(ただ、これはかなり確率が低いと思います)。

 

結論

 

データから見た結論は、早打ちの割合が増えたこと、スイング率が高くなったことが大きな理由ではないかと思います。早打ちの原因が何かは、実際に試合を見て追っていないのではっきりとした理由がわかりませんが、数字だけ見て判断するとストレートに対する対応が何かしらの原因のひとつになっているかもしれないと思います。しかしながら、出塁率が下がってしまってはいましたが、その他の指標は素晴らしくチームに貢献していました。

 

その他で考えられるとすれば、動体視力や身体の衰えを感じ始めたという理由も考えられますが、全体の成績を見てもまだ体力の衰えを感じる年齢ではないと思うのでこの説は可能性が低いと思います。

 

右ひじのケガで試合を欠場していたこともあり万全な状態ではなかったと思われます。それでもシルバースラッガ―賞ファイナリスト、三塁手でのゴールデングラブ賞受賞もあり、さすがといったシーズンを送っていました。今オフはFA市場にも出るため、来シーズンどの球団でプレーをするのかが楽しみな選手のひとりです。

 

追記。。。

今後は選手の特徴をより詳しく説明できるようにデータ収集と処理の能力を上げていく必要があると思います。今回使用した数字もBaseball SavantやFanGraphsなど既存データの表面的なところからしか読み取れていないので、もっと具体的な数字を出せるようにしていきたいです。また頭でっかちな分析をしていきたくないので、野球の試合をよく観察してフィールドで起こっていることを読めるようになっていきたいです。