ナギさんのお誕生日用にと書いていたお話を今更アップ。過去に書いたナギさんの山賊時代を捏造したお話のその後です。
お話に甘さがなかったので補填しようと書いたものですが、微糖です。ビターチョコです。お約束!(笑)
サイトの方にアップするべきかと迷いましたが、開店休業状態なのでとりあえずこっちに(笑)
ちなみにお話は山賊時代散々な目にあってトラウマをもったナギさんをヒロインちゃんが救っちゃったよという内容です。
知らなくてもそんなに支障はないかと思いますが、そんな感じです。
鳥を打ち落としてわーわーしてる本編のナギさんはいませんです。すみません!
それでも良いよという女神様、お付き合いくださると嬉しいです!
***
願い続けていたものがここにある。近く、触れられる距離に。
戸惑いながらも満たされていく感覚。
初めてではない、久しぶりといえるほど身近にもなかったそれは、目眩がするほど眩しく、溶けてしまうほど温かかった。
けれど、それもいつかは終わりを迎える。いつか失くしてしまうのだ。
そんな風に考えてしまうのは、追いかけることにばかり慣れてしまったからかもしれない。
時々思う。これはたちの悪い夢ではないかと。一人、深い森の中で見ている夢。
目を覚ますと待っているのは、生まれた頃から付き纏う下劣な悪魔の嘲笑であっても驚きはしない。
ただ生きるためだけに、その先に意味を持つ者の明日を踏み躙ってきた自分に相応しいのがどちらなのかは分かりきっている。
心を満たし、溢れ出したそれを掬うには、この手はあまりにも汚れすぎていた。
そんな俺を悪魔はさも愉快そうにせせら笑いながら、もう何度となく聞かされた言葉を飽きずに唱えるのだ。
『お前の居場所なんてどこにもない』と。
夢が終わるとき、俺は泣くのだろうか、笑うのだろうか――
***
視界に広がっていくのは飾り気のない自室。
首筋を伝う汗をそのままに気だるい体を起こす。
寝覚めが悪いのは今に始まったことではないが、久々に見た夢は過去の記憶を蘇らせて、朝から何とも言えない気分にさせた。
小さく息を吐く。張り付いた前髪が鬱陶しくて乱暴にかき上げると隣で動く気配と共に、ベッドについていた腕に何かが触れる。
「…ん…」
汗の滲む腕が捕らえてしまったのは○○の細長い髪。
解放してやるとくすぐったそうに肩を竦め、抗議の声らしきものをあげて、何事もなかったようにすうすうと歌い出す。
初めて聴いた時から、俺を夢中にさせてやまない歌。
毎晩一緒に眠っているのに、未だ慣れない別な体温。
毎朝見ているのに、目が離せなくなる穏やかな寝顔。
どれも幻じゃない。それは果てがない地獄のような日々の中で、叶わぬ夢だと背を向けたもの。
夢が夢でなくなったら、それはなんと呼べばいいのだろう。
気持ち良さそうに眠る歌声の主は、知っているのだろうか。どちらにしろ問うつもりはない。
見合う言葉が見つからなくても、今痛いほど自覚しているのだから。
お話に甘さがなかったので補填しようと書いたものですが、微糖です。ビターチョコです。お約束!(笑)
サイトの方にアップするべきかと迷いましたが、開店休業状態なのでとりあえずこっちに(笑)
ちなみにお話は山賊時代散々な目にあってトラウマをもったナギさんをヒロインちゃんが救っちゃったよという内容です。
知らなくてもそんなに支障はないかと思いますが、そんな感じです。
鳥を打ち落としてわーわーしてる本編のナギさんはいませんです。すみません!
それでも良いよという女神様、お付き合いくださると嬉しいです!
***
願い続けていたものがここにある。近く、触れられる距離に。
戸惑いながらも満たされていく感覚。
初めてではない、久しぶりといえるほど身近にもなかったそれは、目眩がするほど眩しく、溶けてしまうほど温かかった。
けれど、それもいつかは終わりを迎える。いつか失くしてしまうのだ。
そんな風に考えてしまうのは、追いかけることにばかり慣れてしまったからかもしれない。
時々思う。これはたちの悪い夢ではないかと。一人、深い森の中で見ている夢。
目を覚ますと待っているのは、生まれた頃から付き纏う下劣な悪魔の嘲笑であっても驚きはしない。
ただ生きるためだけに、その先に意味を持つ者の明日を踏み躙ってきた自分に相応しいのがどちらなのかは分かりきっている。
心を満たし、溢れ出したそれを掬うには、この手はあまりにも汚れすぎていた。
そんな俺を悪魔はさも愉快そうにせせら笑いながら、もう何度となく聞かされた言葉を飽きずに唱えるのだ。
『お前の居場所なんてどこにもない』と。
夢が終わるとき、俺は泣くのだろうか、笑うのだろうか――
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視界に広がっていくのは飾り気のない自室。
首筋を伝う汗をそのままに気だるい体を起こす。
寝覚めが悪いのは今に始まったことではないが、久々に見た夢は過去の記憶を蘇らせて、朝から何とも言えない気分にさせた。
小さく息を吐く。張り付いた前髪が鬱陶しくて乱暴にかき上げると隣で動く気配と共に、ベッドについていた腕に何かが触れる。
「…ん…」
汗の滲む腕が捕らえてしまったのは○○の細長い髪。
解放してやるとくすぐったそうに肩を竦め、抗議の声らしきものをあげて、何事もなかったようにすうすうと歌い出す。
初めて聴いた時から、俺を夢中にさせてやまない歌。
毎晩一緒に眠っているのに、未だ慣れない別な体温。
毎朝見ているのに、目が離せなくなる穏やかな寝顔。
どれも幻じゃない。それは果てがない地獄のような日々の中で、叶わぬ夢だと背を向けたもの。
夢が夢でなくなったら、それはなんと呼べばいいのだろう。
気持ち良さそうに眠る歌声の主は、知っているのだろうか。どちらにしろ問うつもりはない。
見合う言葉が見つからなくても、今痛いほど自覚しているのだから。