この日は家族で出掛け、
いつも通り帰りに父親の病院に面会に行った。


最近父親の体調が著しく悪く、
大好きな本も、テレビも観なくなった。

面会に行っても、苦しそうに寝ていて、
ほぼ会話が成り立たない状況が続いていた。

言われ続けてきた『死』という言葉が、
すぐ近くに感じられたけど、
どこかで今までみたいに、突然コロッと元気になるって信じてた。

それなのに、現実を受け入れるのが怖くて、
父親に会うのも怖かった。

お父さんがいなくなる。っていう未来が見えて、
涙が止まらなくなる。

仕事が忙しい。

現実から目を背けたくて、言い訳をつけて病院に積極的に行こうとしなかった。


前日の4月21日、妹がお見舞いに行き、父は全く話せる状況じゃなかったと聞いていた。

『心配だから顔を見に行こう』という旦那の声かけの元、4月22日お見舞いに行った。

子どもたちが腹ペコで、売店でパンを買い食べてる隙に、子どもたちは旦那に任せ、
1人病室に向かった。



最近の辛そうな父の姿はなく、
非常に穏やかそうな父がいた。

私の顔を見るなり、ニコリと微笑み、
眠る…。というのを繰り返していた。

今思うと有り得ないが、
そんな父親をみて、
『凄く元気そうで良かった!!』と、
心から思った。

何か話してくれたが、か細い声で聞き取ることが出来なかった。

私の話を聞いて、ニコリと微笑む。
眠る…の繰り返し。

それでも、元気で良かった!!とその日は強く感じた。



今までしたことがないのに、
何故かこの日は、父親とツーショット写真を撮りまくった。




改めて見ると、微笑んでる??程度かもしれない、
他人が見ると微笑みも理解出来ないかもしれないが、
私には優しい笑顔に見え、凄く嬉しかった。

『お父さん可愛いー』とか言いながら、父の笑顔写真やら、ツーショット写真をパシャパシャ撮った。


翌日には会社で、『うちのお父さん』と、写メを同僚に見せる謎の行動もとった。

同僚たちはさぞ怖い写真だったに違いない(笑)

げっそり痩せ細った、衰弱した顔の写真を、
ほら元気そうでしょ?と見せられ、それが父親初公開(笑)
申し訳ない!!(笑)

もちろん、妹にも、元気だったよ。と、
写メを送付したが、
え??という返事がきた。

いや、元気で安心したわー🌸と話していた。



今写真をみると、何でこんな衰弱仕切ってる父親を、元気そうと思ったのか、自分自身が理解し難い。
約10ヶ月、絶飲食。点滴栄養のみ。
やせ細り衰弱仕切ってる。
話も出来ないのに。
改めて考えても、本当に不思議な気持ちだった。





今も父親がツーショットの写メを撮る時に、
顔を近づけるとニコッと笑ってくれた笑顔が忘れられない。

4月29日 3時48分、父が旅立った。

父との会話、微笑みあい、
4月22日が最後になった。

もう一生、私に笑いかけてくれることはない。