昔の話です。会社に入って転勤になり独り暮らしを始めたのが28歳の時。一人暮らしが女性になりたい願望に火を付けました。ウイッグを買って、化粧品を揃えて、拙いけど、自分で化粧が出来るようになりました。そして、ボーナスが出た時に、とうとう初めて自分の婦人服とパンプスとハンドバッグを購入。服は少し高かったけど、鮮やかな水色に金ボタンの付いたお水風のミニスーツ。パンプスは白の5cmヒール。ハンドバッグは胸に抱える形の白いバッグでした。そうなると我慢できなくって、会社から帰ると入浴後、化粧して外出するようになりました。最初の頃は本当にドキドキ!アパートのドアを少し開けて誰もいないのを確認して、静かに外に出て、表の通りまで忍び足。物心ついた時からミニスカートでハイヒールを履いてハンドバッグを下げて街を歩くことが夢でした。それがかなった喜びは相当なものでした。(今は普通に真昼の銀座を歩いているのが嘘みたい‥。)夜の通りに響くパンプスの音に感動しながら、幸せを噛みしめて夜の街を彷徨いました。郊外の国道沿いの喫茶店でお茶をしていたら、店員の方が女性週刊誌を持ってきてくれて感動したことを思い出します。そして女性として外出するようになって初めて意識したのが横を通る車からの視線でした。こっちから車の中は見えないけど、向こうからこっちは見える。だから遠慮なく男が向ける視線をあからさまに感じました。女性はとっても怖い思いをしているんだなって、その時、初めて知りました。ある時、いよいよ久美子の横で車が止まり、助手席の窓を開けて男が声をかけてきました。「ごめんなさい。」って謝って慌てて駆けだしました。

下は、それから少し後、スナックてアルバイトしてた時、お店の前で撮ってもらった写真です。


はじめての一人暮らし

 

 

 

 

 

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