古典的な「うねり取り」を考えてみます。
基本的に、株価の上げ下げは大きいうえに突発的なこともある・・・だから、タテ軸を見すぎないように注意し、ヨコ軸の「日柄」を重視するのです。すべての株価観測の基本だと思います。
大きな儲け、素早い利食い……多くの人が望むことですが、タテ軸に目を向けて泥沼にはまるケースが多いはずです。
3カ月・6カ月の周期を見よ!
天体の動きとはちがうので、カッチリとした周期は期待できませんが、「ある程度の周期」が認められれば、ポジションを操作する大きな手がかりとなります。
やはり、「値動き周期がきれいな銘柄がやりやすい」「不要なダマシが少ない」のです。
上げ下げの周期を見て私たちは、例えば「何カ月も下げているから、こんどは買いだ」と考えます。なんらかの価値判断を下して予測を立て、ポジションを取るためです。
単に「下げた」では、過去と比べて安いだけなので、未来を考える予測につながりませんが、「下げ」→「下げ止まり」とくれば「今が底か!」と感じます。
また、下げトレンドが一定期間つづいたあとならば、なおさら「おいしそうだ」と感じ、「今のうちに安く買っておこうか」と考えます。
中源線のルールでは、さらに「ピクッと上げる」動きで、「陽転だ。買いだ」と判断しますが、判定に用いる期間はそれほど長くありません。
だからこそ“機敏に反応”してくれるのですが、この点がダマシにもつながります。
具体的な事例を見ましょう。
下のチャートは、8057内田洋行です。
2018年夏からの下げトレンドの中で、4回のダマシ(陽転)がありました。「半分の2回くらいなら仕方ないけど……」というところでしょうか。しかし、2019年2月にダメ押しの底をつけたあと切り返して陽転、そのまま大きくスピーディーに上伸しています。
どうでしょうか?
「途中のダマシは、日柄不足を根拠に回避できる」と思ったりしますが、あとから見ているから言えることでもあります。
少なくとも、後半の2回は回避が難しいのではないでしょうか。
「転換を見送ってポジションなしのまま見ている」という対応が、裁量の第一歩といえますが、現在のワクワクするような上げに乗り損ねる可能性も大です。
また、日柄不足の状態で陽転したあとグングンと上昇するケースだってあります。
つづいて、もう1銘柄。
こんどは、4997日本農薬です。
2018年10月~12月の大きな下げを取ったあと、わりと早めのタイミングで陽転しました(12月27日、普通陽転)。キッチリ3カ月下げたところで陽転したので「おっ」と期待しましたが、残念ながら2月に入って陰転です。
あらためて、「今の売りポジションは取れないかも」「でも、次に陽転したらいいぞ!」なんて思いますが、どうなるかはわかりません。
中源線書籍の記述にあるように、自らの感覚を反映させていくのが、中源線利用のひとつのゴールなのです。