あらゆる手法に通じる正しい発想を紹介するのですが、説明のベースは、いつものように林投資研究所のオリジナル「中源線建玉法」です。
日々の終値で機械的な判断を行うので、システマティックな判断基準のプラス面とマイナス面を、誰もが同じ基準で考えることができて便利だからです。

さっそく、実際の中源線チャートを見てみましょう。

「中源線シグナル配信」のユニバース銘柄(パフォーマンスが良好かつ安定している研究対象銘柄)から実例を挙げます。

赤が買い線で買いポジションを3分割で増減、黒が売り線で売りポジション(カラ売り)を3分割で増減させていきます。



チャートに表示された期間、8267イオンは、ずっと買い線のままでした。
途中、ちょっと弱くなる場面もありましたが、陰転せずに上伸が続いたのです。
(設定によっては、「途中の下げで陰転 → 再び陽転」ということもあります)

これならカンタン、ただ買いポジションを持ちっぱなしにしていればいい!

ところが、現実でその通りにできるでしょうか?
あとから見て「買っていたら儲かった」と皮算用するのですが、実際にこれだけの期間、買いっぱなしにできるのか……。

中源線を利用して、このシグナル通りに売買すると決めていれば、おそらくポジションを持続できますが、裁量ではどうでしょうか。


途中の伸びた場面で売り手仕舞い、あるいは弱含んだ場面で逃げるように売り手仕舞いして、あとになって「持っていれば、もっと儲かった」と後悔するケースが多いはずです。

ずっと放置していたら、それはそれでバランスのわるい結果を生みます。
でも、500円幅動いたのに100円幅しか取れなかった場合、「せめて合計で200円幅くらい取れなかっただろうか……」と考えるのが自然ですし、それくらいの結果を求めるのがプレーヤーとして当然です。

さて、もう1つ、中源線で値幅が取れた事例を紹介します。



6962大真空は、前項のイオンとは全く異なる波動をみせています。
2017年5月に陽転して上昇、4カ月ほど高値保合のあと、2017年11月に陰転したあとは下落が続きました。

上げは買いっぱなしで取り、下げは売りっぱなしで取るという、見事な結果です。
常にこうなったら苦労はないのですが、そうもいきません。


だから、「値幅取りを実現する方法を考えよう」ということなのです。

ちなみに、この大真空は、私が行っている実験売買の銘柄です。

―つづく―